「言霊」はほんとうに存在するの?声に出した言葉が実現してしまうのはどうして?【社会心理学】

集団凝縮性の高い集団ほど同調が起きやすい

同調が起きやすい要因として、「自分以外の全員の意見が一致している」という全員一致の圧力のほかに、グループの「集団凝縮性」の影響も指摘されています。

集団凝縮性とは、集団と個人の結びつきの強さのことで、集団凝縮性が高い、すなわちメンバー同士の結びつきの強い集団ほど、グループの結束を乱したくないという心理が働きやすく、結果として同調も起こりやすい傾向にあります。

実際、高校生を集団凝縮性の高い仲良しの4人グループと、そうでもない4人グループにわけ、重要度の異なるさまざまな社会問題について各自に賛否のスイッチを押させる実験では、そうでもないグループに比べて、集団凝縮性の高い仲良し4人組のほうが同調しやすいという結果が出ました。こうした同調は、その集団に対して自分が価値や魅力を感じているほど、起きやすいとされています。

また、同調には「情報的影響」と「規範的影響」のふたつがあるとする考え方もあります。 情報的影響とは他者の判断を有用だと考えて自分の考えに取り入れることです。

ある商品を購入する際に、ネットのレビューで評価の高い商品を選択するといったことがこの情報的影響に当たります。

もうひとつの規範的影響とは、「他の人から嫌われたくない」とか「集団の輪を乱したくない」という心理から行う同調のことです

たとえば「本心では別の意見があるにも関わらず、批判を恐れてつい多数派の意見に合わせてしまった」というのは、規範的影響のひとつと言えます。

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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