岩佐歩夢「ディフェンスはドライバーの仕事、できるだけのことはできた」/FIA F2第7戦レース2

 6月4日にスペインのカタロニア・サーキットで開催された2023年FIA F2第7戦のフィーチャーレース(決勝レース2)。4番グリッドスタートの岩佐歩夢(ダムス)は終盤に3番手走行もビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)にかわされ4番手に後退。ただ、ランキング争いを展開するフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)からの猛追を耐え、4位でチェッカーを受けた。

「4位という結果は、最低限の仕事を果たしたという感じです。ペース自体は悪くなく、特にハードタイヤでのペース、パフォーマンスはかなりよかったので、その点は自分もチームも今後につながるポジティブな結果と受け止めています」と岩佐は振り返る。

「ただ、ソフトタイヤでのスタートで1周目のペースがない点については、ドライビングなのかマシンなのかタイヤなのか、まだ原因がはっきり分からないので、これからちゃんと解析しなければいけない課題です」

 スタートで抜群の蹴り出しを見せた岩佐は、ターン2時点で2位浮上も見えたなかターン3でややアウトに膨らみ、テオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)にかわされ、その後さらにジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)にも先行を許し、5番手でオープニングラップを終えることとなった。

「ストラテジーについてはプライム(ハード)からオプション(ソフト)が正しかったのは間違いなく、1周目にポジションを失っていなければ、最終的にもっと上位にいけたと思うので、やはりそこが反省点です」

 他の上位勢と同じく、オプション(ソフト)タイヤスタートを選択した岩佐は10周目にプライム(ハード)に交換。ただ、25周目にベスティ、26周目にマルタンスと、プライム(ハード)スタートの2台がオプション(ソフト)に交換し、終盤に猛烈な追い上げを見せた。

2023年FIA F2第7戦バルセロナ ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)とレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)

 マルタンスは4秒近くあった岩佐とのギャップを2周で4秒縮め、岩佐は35周目のターン1でマルタンスにかわされる。その際には岩佐の背後にベスティも急接近。ベスティは36周目とファイナルラップとなる37周目のターン1で立て続けに岩佐に並びかけるも、岩佐は4番手のポジションを死守しチェッカーを受けた。

「終盤、(後ろからのアタックを)なんとか抑えようとがんばりましたが、タイヤの状態がいい1台(マルタンス)には先行を許してしまいました。もう1台(ランキングトップのベスティ)は意地もあってなんとか抑えましたが、ディフェンスはドライバーの仕事なのでできるだけのことはできたと思います」と岩佐。

「マシンの速さはあると思っているので、次戦以降に向けて結果がよりよくなるよう、チームとしっかり準備したいと思います」

 バルセロナでの戦いを終え、ベスティが110点獲得でランキングトップ、99点獲得のプルシェールがランキング2位、82点獲得の岩佐がランキング3位とトップ3名のランキング順は変わらず。ただ、今回のレース2をポール・トゥ・ウインで制したオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)が70点獲得でランキング4位に浮上しており、今後タイトル争いに加わる可能性も少なくはないだろう。

 2023年のFIA F2、次戦となる第8戦シュピールベルクは、6月30日〜7月2日にオーストリアのレッドブル・リンクで開催される。レッドブルの地元での岩佐の走りに期待したい。

2023年FIA F2第7戦バルセロナ 岩佐歩夢(ダムス)
2023年FIA F2第7戦バルセロナ 岩佐歩夢(ダムス)

© 株式会社三栄