石川・珠洲に激励のエプロン 震度6強の地震から1カ月

民宿の玄関で笑顔を見せる国重恵子さん=5月31日、石川県珠洲市

 最大震度6強の揺れに見舞われた石川県珠洲市の民宿に、かつて利用した宿泊客から激励の電話やメールが相次いでいる。「早く再開してほしい」と、常連客から手作りのエプロンが届いた宿も。地震発生直後は予約のキャンセルが続いたが、オーナーらは「地震になんか負けていられない」と前を向く。

 震度6強を観測した地震から5日で1カ月となった。県は仮設住宅の建設に着手する一方、自宅に戻れた被災者らは少しずつ日常を取り戻しつつある。

 市内でも特に被害が大きかった正院町地区で約45年前から営業する民宿「さわむら屋」は壁にひびが入るなどし、臨時休業を余儀なくされた。2007年の能登半島地震や昨年6月の震度6弱も経験したが、宿を経営する沢村すみ子さん(74)は「今回が一番ひどかった」と話す。

 「当分再開できないかな」とふさぎ込みそうになる沢村さんを元気づけたのが、かつて宿を利用した客からの電話だった。「大丈夫でしたか」「また行くね」。手作りのエプロンも届き、「再開したら着てほしい」というメッセージと受け取った。

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