
源泉の蒸気熱を利用したバイナリー発電装置が6月から「箱根湯の花プリンスホテル」(箱根町芦之湯)で稼働を開始した。温泉地でも90度以上の高温の源泉が必要となるバイナリー発電の導入例は全国でも少なく、県内では初めてという。同ホテルなどで使用する年間電力量の2割をまかなえる計算で、運営会社は「脱炭素と観光業の両立を図りたい」と新エネルギーの導入促進を模索している。
発電装置は敷地内に2基を設置。ホテルに隣接した深さ約300メートルの源泉から噴き出す136度の熱蒸気を利用する。硫黄など火山性成分を多く含んだ温泉の蒸気ではタービンが腐食してしまうため、沸点の低い代替フロンを熱蒸気で加熱。沸騰して気化した代替フロンがタービンを回して発電する仕組みだ。