【中国】三菱地所、上海初のオフィス開発に参画[建設]

三菱地所は、上海市長寧区で大規模な複合開発事業に乗り出した。開業は26年春となる見通し。写真は完成イメージ=三菱地所(上海)投資諮詢提供

三菱地所は、上海市長寧区で大規模な複合開発事業に乗り出した。オフィスと商業施設で構成する複合物件5棟を開発する。三菱地所が上海市でオフィスを開発するのは初めて。完成は2025年末、開業は26年春となる見通し。日系企業が集まる地域で交通の利便性も高く、新たな高級オフィスとして注目を集めそうだ。

事業の名称は「晶耀虹橋(クリスタル・ブリッジ)」。天山路と古北路が交差する場所の近くに位置し、日系の企業や飲食店が集まる婁山関路エリアにある。地下鉄2号線・15号線の婁山関路駅のそば。米商業不動産開発大手のティッシュマン・スパイヤーや中国国有不動産企業の新長寧集団、中国大手運送サービスの貨拉拉との共同事業。今年2月に着工した。

建築設計は米NBBJが担当。三菱地所の現地法人、三菱地所設計諮詢(上海)が設計監修業務とランドスケープ、オフィス・商業共用部デザインを、三菱地所プロパティマネジメントが運営・管理コンサル業務をそれぞれ担う。

高さの異なる物件を開発し、最も高い物件は21階建て。地下部分と物件1~2階部分には飲食店や小売店、スーパーマーケットなどが入居する。地下鉄15号線の婁山関路駅と直結する。敷地面積は3万5,587平方メートル。延べ床面積は24万9,100平方メートルで、このうち商業施設部分は約2万1,000平方メートル、駐車場は約5万5,000平方メートル。エリア内の緑化を進め、国際的な建築物の環境性能評価制度「LEED」の認証を取得する予定だ。

多くの繁華街を結ぶ地下鉄2号線沿いに近年高級オフィス物件の新規供給がないことや、物件の質・サービスの高さなどを武器に、三菱地所が中心となって日系をはじめとする企業を呼び込む考え。総事業費は約85億元(約1,700億円)で、ティッシュマンが幹事会社となる。

三菱地所は11年に中国事業を開始。これまでにオフィスや商業、アウトレット、物流、住宅の開発事業を計20件手がけてきた。エリアは上海市を含む長江デルタ地域や北京市など。オフィス開発事業は今回が5件目となる。

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