<南風>伝えたい三つのこと

 私は性違和を感じている。それは、今思い返せば小学生の頃からだ。女性という性を理解はしているが、何だかしっくりこなかった。「多様性」を伝えることが増えてからは、性について向き合うことが多くなり、「SOGI(ソジ)」という言葉を知ってから、自分自身の活動の意義が明確になった。LGBTQにフォーカスした性の多様性発信に違和感があったのだ。

 私の心は中性で、外見(表現の性)は男っぽい。私を知らない他人から見ると、男になりたい女だろう。私が自分らしさを追求すると、胸は切除したいが男になりたいわけではない。私には似合わないと思っている。世の中には私のような考えを持つ人が多く存在するはずだ。だが昔の私のように自身が性違和を感じていることさえ気づかないまま、自愛できずに自身の生き方にしっくりこない人がいるのではないか。

 私の伝えたいことの一つ目は人は男女に分けられないということだ。LGBTQなどのセクシャルマイノリティーの方を歓迎する時や、表現する時にはよくレインボーフラッグが使われるが、まさに生き方はグラデーションなのだ。

 二つ目は服に困っている。着たい服を探すのに苦労する。私はシンプルなカジュアルシャツを着ることが多いが、女性物はくびれがあり好まない。男性物は肩幅や丈が合わないことが多い。それならとユニセックスなアパレルブランドを展開しようと考えている。

 三つ目は、先に述べた「SOGI」が広まってほしい。SOGIとは、生まれてきた時の性、心の性、服装や言動など表現の性、好きになる性のことだ。女のくせに「男みたいな髪して」とか「女らしくしなさい」という思考ではなく「あなたらしいね!」というポジティブ思考が広がり、誰もが自分らしくいられる環境になってほしい。

(比嘉利加、フリーランス)

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