ムエタイ、もっと広めたい 県内関係者が「連盟」立ち上げ

県キックボクシング連盟が昨年7月に開いたムエタイ体験イベント。新団体は競技普及に努めながら全国各地の関係者と連携を構築していく=山形市

 タイで五輪種目採用に向けた機運が高まるムエタイ(タイ式キックボクシング)について、日本でも青少年らが気軽に競技に取り組める環境を整えようと今年、県内の関係者が新団体を立ち上げた。各都道府県の競技団体を統括する「中央競技団体」となることを目指し、全国各地の関係者と連携構築を進めている。

 発足したのは「日本ムエタイ連盟.」。県キックボクシング連盟の幹部らが中心となりつくり、同連盟会長の斎藤智宏さん(43)=山形市薬師町2丁目=が代表に就いた。斎藤さんはムエタイへの憧れからキックボクシングを始め、タイの大会にも参戦するなどプロとして活躍。同市内でジムを運営している。裾野拡大へ2016年に同市キックボクシング協会、17年に県連盟を設立。県や同市と連携し現地王者を招いた体験会を開くなどしてきた。

 斎藤さんによると、日本国内にムエタイの競技普及や、国際大会への選手派遣などに当たる全国組織はないという。今回つくった連盟は、各都道府県の競技団体が連携し、幅広い世代が取り組むアマチュアスポーツとして浸透を図り、全国大会実施などを目指す。

 当面は各競技の中央競技団体や、都道府県のスポーツ協会などでつくる日本スポーツ協会への加盟を目標とする。正加盟、準加盟に次ぐ「承認団体」となるには非営利での3年以上の活動と、県連盟といった地域を統括する組織が8以上の都道府県で整えられていることが条件。県外の関係者に働きかけるとともに、指導者育成や普及イベントの企画に取り組む。

 斎藤さんは、タイ大使館主催イベントと連携し、自らのジムなどで料金割引キャンペーンを展開するなど、同国文化の浸透に努めている。「部活動などでムエタイに取り組める環境をつくりたい」と意気込んでいる。

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