夏ボーナス、前年比2.7%増 県内見通し、コロナ禍前の水準に回復

 やまぎん情報開発研究所(山形銀行)が5日発表した今夏の県内ボーナス支給見通しによると、民間企業と官公庁を合わせた1人当たりの支給額は32万2千円となり、前年に比べ2.7%増えた。製造業の生産活動に鈍化の動きがみられるが、同研究所は「新型コロナウイルス禍から経済正常化が進み、人手不足、物価上昇にも後押しされ、所得環境は総じて改善傾向が続いている」と分析した。

 夏のボーナスで1人当たりの支給額見通しが前年を上回るのは2年連続で、コロナ禍前だった19年夏の31万8千円をわずかに上回った。夏冬を合わせると4期連続のプラスになる。

 総支給額は、民間企業と官公庁を合わせると2.9%増の1370億円になる見通しだ。このうち民間企業は2.9%増の1094億円。常用労働者数が増え続ける中、人手不足や物価上昇を背景に賃金水準も上昇傾向になった。官公庁は国家公務員、県職員ともに22年給与勧告でボーナス支給月数が引き上げられ、3.2%増の277億円だった。

 同研究所の推計は、県内の賃金、労働、産業動向に関する統計を参考に算出しており、毎年夏と冬に公表している。1人当たりの支給額はパートタイマーを含む常用労働者(労働者5人以上の事業所ベース)を対象にしている。

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