「Z世代だからこその価値観」仕事を通して成し遂げたいこと1位は?

オフラインの社会経験や対面コミュニケーションの機会が少ないと言われがちな、2023年入社の新入社員。

一方で、幼少期から高速通信環境の存在するデジタルネイティブなZ世代でもあり、SNSやオンライン上でのコミュニケーションや情報収集、発信にとても長けている世代です。

では、そんなZ世代は「仕事」に対してどのような価値観を持っているのでしょうか。

2023年入社の新入社員に「新入社員意識調査」を実施!

人材育成や社員研修を行う「ラーニングエージェンシー」は、2023年4月、2023年入社の新入社員4,428人を対象に「新入社員意識調査」を実施。

入社式を迎えた新入社員がどのような気持ちでいるか、また働くことに対してどのような価値観を抱いているか、調査しています。

本記事では、その調査結果の内容を詳しく紐解きます。

4月時点では「不安」や「緊張」も…。

【新入社員意識調査】入社式後の新人の気持ち

入社式を終えたばかりの迎えたばかりの新入社員に「入社式後の気持ち」を尋ねると、「不安(34.8%)」「緊張(21.7%)」と、約半数が新しい環境にドキドキしている様子が伺えました。

一方「期待(14.9%)」や「楽しい(5.5%)」など、前向きな気持ちも聞かれます。

「現時点で不安に感じることは?(複数選択)」という質問では、「仕事についていけるか・仕事の難易度(64.9%)」「生活リズムや社会人としての考え方の習得(45.9%)」「社会人の基礎的なマナーの習得(41.0%)」という回答が続いています。

「生活リズムや社会人としての考え方の習得」は、社会人になりたての新入社員が最も「ギャップ」を感じやすいところでもあります。先輩社員や周囲の人が、うまくサポートしていきたいですね。

4年連続で増加中!「仕事を通して成し遂げたいこと」とは

【新入社員意識調査】仕事を通して成し遂げたいこと

続いて、Z世代の仕事への向き合い方を紐解きます。

「仕事を通して成し遂げたいこと(複数選択)」を質問したところ「安定した生活を送りたい(65.8%)」が最多に。2019年以降4年連続で増加中。より安定志向のZ世代が増えている様子!

情勢不安や先々の見通しが立たない今の時代で生きてきた、Z世代ならではの価値観とも言えそうです。

一方で第2位に挙がった「自分を成長させたい(57.8%)」はまだまだ半数以上と高い数値ではあるものの、2020年以降は減少し続けています。

Z世代が「今後していきたい仕事」は?

Z世代が「今後していきたい仕事」について尋ねると「楽しくてやりがいのある仕事(68.8%)」「自信の成長につながる仕事(48.2%)」「楽しく取り組める仕事(36.4%)」という順に高いポイントをつけました。

「楽しくてやりがいのある仕事」は5年連続で1位、「自分の成長につながる仕事」は過去5年間で最も低い割合となっています。

Z世代の時間の使い方は?

【新入社員意識調査】20代の時間の使い方

楽しくてやりがいのある仕事を求める傾向にある新入社員は、どのような時間の使い方を理想としているのでしょうか。

Z世代に何を優先していきたいと考えているか質問した問いには、「仕事とプライベート優先(27.7%)」「仕事とプライベートと自己投資をバランスよく(18.6%)」「プライベート優先(18.9%)」という順位になりました。

「仕事とプライベートと自己投資をバランスよく」と答えた人は前年よりも大幅に減り、「プライベート優先」と答えた人が前年よりも大幅に増えているという結果に。

過去10年間で比較すると「プライベート優先」は毎年増加しており、10年前の4.5%と比べて約4倍になっています。

先々の見通しが立たないからこそ、自己投資(=キャリアアップ、スキルアップなど)は二の次で、毎日仕事もプライベートも大切にして、楽しく働き、安定した生活を送りたい。

そんなプライベート重視で安定志向の強いZ世代の考え方は、「充実した今を生きたい」気持ちの表れなのかもしれません。

自分が成長するために必要なものは?

【新入社員意識調査】自分が成長するために必要なもの

Z世代にとって「自分が成長するために必要なもの」は何なのでしょうか。

アンケート結果では「仕事を通じた成功体験(64.9 %)」「仕事を通じた失敗体験(60.9%)」「上司や先輩からの事後のフィードバック(53.8%)」という結果になっています。

これは例年大きく変わっておらず、現場での仕事の体験や経験を積むこと、上司や先輩とのコミュニケーションが必要だ、と考えているZ世代が多いようです。

Z世代にとって理想の上司とは

「自分のキャリアアップにつながる理想の上司」について尋ねたところ「間違いを正してくれる(57.4%)」「自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる(41.1%)」「具体的に手順を細かく教えてくれる(40.9%)」「仕事やキャリアの悩みを相談できる(40.6%)」と続きました。

仕事に対する不安や緊張を抱えている新入社員だからこそ、事細かに相談でき、コミュニケーションが取れる上司が求められているようです。

オフラインでの社会経験が少ないからこそ、体験から得る学びや、上司とのコミュニケーションを重視しているとも言える、Z世代。

「ワークライフバランス」への考え方が変化し続けている昨今において、どうすれば皆が働きやすい世の中になるのか、お互いに理解を深め、適切なフォローやサポートを行い、コミュニケーションを取っていけたらいいですね。

【調査概要】

ラーニングエージェンシー「2023新入社員意識調査」

調査期間:2023年4月1日~4月11日

調査対象:ラーニングエージェンシーが提供する研修の受講者(2023年入社の新入社員)4,428名

調査方法:自記式またはWEBでのアンケート調査

調査主体:ラーニングエージェンシー

(ウレぴあ総研)

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