6月3~4日、2022/2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9の第10戦、第11戦ジャカルタE-Prixがインドネシア・ジャカルタで開催され、第10戦はパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)、第11戦はマキシミリアン・ギュンター(マセラティMSGレーシング)が優勝を飾った。
インドネシアの首都ジャカルタに設営された特設サーキットで行われたフォーミュラEのダブルヘッダーレース。まず3日に行われた第10戦の予選では、フリープラクティス1、2でトップタイムを記録していたギュンターがデュエル形式の予選を勝ち上がりポールポジションを獲得した。
そして同日に行われた第10戦の決勝スタートでは、3番グリッドから好ダッシュを決めたウェーレインがトップでターン1へ向かうギュンターにアウト側から仕掛けるも、ギュンターがポジションを死守する。
4周目のターン1にてウェーレインは再度ギュンターに接近し、ブレーキング勝負を仕掛けてイン側からオーバーテイクに成功。3番手には、2番グリッドスタートのジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)が続く。
その後は各マシンがアタックモードを使用し、順位を目まぐるしく入れ替える展開に。20周目には6番手のニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)が5番手のジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)にバトルを仕掛けるも、キャシディのマシンのフロントはベルニュのマシンのリヤに接触してしまい、キャシディが姿勢を乱してしまうシーンも見られた。
24周目には、8番手争いを繰り広げるミッチ・エバンスとサム・バードのジャガーTCSレーシングの2台が接触。まさかの同士討ちにより2台揃ってポジションを落としてしまう。
レース終盤には、アタックモードを駆使して2番手に順位を上げていたデニスがトップのウェーレインのインを伺うも、ウェーレインの巧みなブロックによりオーバーテイクにはいたらず。ウェーレインはそのままトップを守り切り、第10戦を制した。
ウェーレインはレース終了後に、「とても良いレースだったし、予選は前のレースよりもはるかに良かった。今日のクルマは素晴らしかったので、チームに感謝したい」とコメントし、課題であった予選パフォーマンスの向上と優勝を喜んだ。
翌日の日曜日に行われた第11戦では、予選で2戦連続のポールポジションを獲得し1番グリッドから好スタートを決めたギュンターがレースをリードしていく。
2番手にはデニス、3番手にはエバンスがつけ、各マシンがアタックモードを使用するタイミングによって順位を入れ替えながらレースは進行していく。
それぞれが1度ずつアタックモードを使用し終えた段階でのトップはエバンスとなり、2番手にはギュンター、3番手にはエバンスがつけた。
9周目には、ターン1で3番手のエバンスが前を行くギュンターのインに飛び込みオーバーテイクに成功。しかしギュンターも負けじと10周目シケイン進入でエバンスのアウト側に並びこみ、切り返しでインを奪って再び2番手のポジションを取り戻す。
19周目には、7番手を走行していたキャシディがターン16で前を走るウェーレインに接近するも、フロントウイングを接触させて破損。1度コース上にマシンをストップさせ、なんとかピットへマシンを戻すも大きく順位を落としてしまった。
トップ集団は、2度目のアタックモード使用により順位を入れ替えながら走行を続け、トップはギュンター、2番手にデニス、3番手にエバンスといった順位で終盤戦に突入。トップのギュンターはラストに向けてペースを上げ、2番手以下を徐々に離してゆく。
ギュンターは、バッテリーマネジメントをしつつも快速ペースを維持し、そのままトップでフィニッシュ。2番手のデニスに2.822秒差をつけてのポール・トゥ・ウインで今季初の優勝を飾った。
レースを終えたギュンターは「とても誇らしい気分だ。FP1からとても良い感触で、ここではパッケージが機能していることがわかった。あとは正しい方向に進み続けるだけだったが、昨日はそれが十分ではなかった。けれど今日はそれがうまくいった」と優勝を喜んだ。
第11戦を終えた時点でのポイントランキングは、ウェーレインが134ポイントでトップ、2番手には1ポイント差でデニスが続いている。フォーミュラEシーズン9の次戦は、6月24日に第12戦ポートランドE-Prixが開催される予定だ。
■2022/23年フォーミュラE第10戦&第11戦ジャカルタE-Prix 順位結果
2022/23年フォーミュラE第10戦ジャカルタE-Prix 順位結果
Pos. No. Driver Team Lap/Gap Grid
1 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 36Laps 3
2 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 0.477 2
3 7 M.ギュンター マセラティMSGレーシング 1.413 1
4 1 S.バンドーン DSペンスキー 3.871 5
5 25 J-E.ベルニュ DSペンスキー 4.986 4
6 48 E.モルタラ マセラティMSGレーシング 5.587 6
7 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 5.982 10
8 13 A.F.ダ・コスタ タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 20.136 15
9 4 R.フラインス ABTクプラフォーミュラEチーム 21.687 7
10 5 J.ヒューズ ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム 23.356 20
11 51 N.ミューラー ABTクプラフォーミュラEチーム 23.792 9
12 17 N.ナト ニッサン・フォーミュラEチーム 25.162 17
13 33 D.ティクトゥム NIO333レーシング・フォーミュラEチーム 28.824 14
14 11 L.ディ・グラッシ マヒンドラ・レーシング 29.495 21
15 58 R.ラスト ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム 30.002 8
16 36 D.ベックマン アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 31.079 19
17 3 S.セッテ・カマラ NIO333レーシング・フォーミュラEチーム 32.102 18
18 8 R.メリ マヒンドラ・レーシング 46.662 22
19 23 S.フェネストラズ ニッサン・フォーミュラEチーム 48.822 12
20 10 S.バード ジャガーTCSレーシング 1’14.072 16
21 16 S.ブエミ エンビジョン・レーシング 1’18.081 13
NC 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング DNF 11
2022/23年フォーミュラE第11戦ジャカルタE-Prix 順位結果
Pos. No. Driver Team Lap/Gap Grid
1 7 M.ギュンター マセラティMSGレーシング 38Laps 1
2 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 2.822 2
3 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング 18.498 3
4 23 S.フェネストラズ ニッサン・フォーミュラEチーム 19.307 7
5 17 N.ナト ニッサン・フォーミュラEチーム 19.924 12
6 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 20.108 6
7 13 A.F.ダ・コスタ タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 20.521 11
8 48 E.モルタラ マセラティMSGレーシング 20.996 4
9 1 S.バンドーン DSペンスキー 26.63 5
10 16 S.ブエミ エンビジョン・レーシング 27.273 13
11 33 D.ティクトゥム NIO333レーシング・フォーミュラEチーム 28.614 20
12 51 N.ミューラー ABTクプラフォーミュラEチーム 28.787 17
13 4 R.フラインス ABTクプラフォーミュラEチーム 29.125 22
14 11 L.ディ・グラッシ マヒンドラ・レーシング 29.53 19
15 58 R.ラスト ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム 30.67 16
16 25 J-E.ベルニュ DSペンスキー 56.598 9
17 8 R.メリ マヒンドラ・レーシング 1’06.645 21
18 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 1’06.879 10
NC 5 J.ヒューズ ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム DNF 8
NC 36 D.ベックマン アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE DNF 18
NC 3 S.セッテ・カマラ NIO333レーシング・フォーミュラEチーム DNF 15
NC 10 S.バード ジャガーTCSレーシング DNF 14