京都・亀岡の保津川下り事故 急流部で初の救助訓練

流れの急な瀬を乗り越える訓練に取り組む亀岡消防署の隊員ら(6日、亀岡市)

 3月末に京都府亀岡市の桂川(保津川)で起きた「保津川下り」の事故を踏まえ、亀岡消防署が6日、保津峡内の急流部で初の救助訓練を始めた。例年、渓谷入り口の山本浜(同市篠町)付近で実施していたが、今年からは若手隊員らの技量をより高めるため急流で迅速に救助できるよう実践的な操船訓練を取り入れ、万が一への備えを強化する。

 同署警防課の隊員らが対象で、5月に緩やかな流れで基礎訓練を実施。その上で、流水救助に特化した隊員を育てるため、選抜した計10人と指導役が6~9日の日程で急流での操船訓練を導入した。

 隊員らは6日、山本浜でラフトボートを膨らませ保津川に入り、パドルの使い方や船尾で操船する技術などの動作を一つ一つ確認しながら川を下った。急流部では、勢いよく流れる瀬を乗り越え目指すポイントまでこいでいく技術を繰り返し練習。転覆させて元に戻す訓練などにも取り組んだ。

 また陸からの訓練の安全確認も踏まえ、川沿いの未供用府道と市林道の現状も確認。事故時に府道をふさいでいた倒木を京都府が撤去してのり面の工事に入り、落石や崩落で林道には依然として車両が進入できない状況などを確認した。府道工事は8月までを予定し、林道も市が緊急時に車両が通れるよう修繕を目指している。

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