「食料買ってあるがこれからが…」死活問題!メイン道路が崩落 浜松市の山間集落【台風2号・静岡記録的豪雨】

6月2日の記録的豪雨によって大きな災害に見舞われた静岡県西部。浜松市の山間地域では集落につながるメイン道路が崩落し、住民からは不安の声が上がっています。

<野田栞里記者>

「あちら浜松市天竜区にある県道です。山から崩れた土砂や木が道路をふさいでいるのが分かります」

浜松市天竜区龍山町。車で浜松市の中心から国道152号を北上し、秋葉ダムの手前で左折して県道361号に入ると、龍山町の白倉集落に到着します。ところが…。

<野田栞里記者>

「こちらは道路が完全に崩落しています。かなり危険な状態です」

崩落の原因は6月2日の記録的な大雨。天竜区の24時間降水量は、春野で500.5ミリ、佐久間で396.5ミリなどと4つの観測地点すべてで統計開始以来、最大となりました。この影響で、龍山町につながる県道の入り口付近では、土砂崩れと道路の崩落が発生し、現在通行止めとなっています。そのため、白倉集落の住民が強いられている迂回ルートが…。

<伊部桜輔カメラマン>

「ここも結構ひどい。土砂が流れ込んでしまっています」

細くガードレールも少ない険しい山道。白倉集落から旧村役場の地域自治センターまで、従来であれば県道を使って20分ほどで到着できますが、迂回ルートだと約1時間もかかるといいます。この集落には現在50人ほどが暮らしていますが、そのほとんどが70歳以上の高齢者。この道路が使えないのは住民にとって死活問題です。

<住民>

「いまのところ食料は2、3日前に買ってあったからいいんですけど、これからどうしようと思って。私たちはいつどうなるか分からないから。お医者さんが遠いのは本当に不安ですね」

「冬になると凍るもんでね、道が。そうするととても通れないだよね。あそこ(迂回路)ガードレールがないもんだから余計怖い」

また、消防の緊急車両もこの迂回路を通ることになっていて、住民の不安は募るばかり。白倉集落でキャンプ場を経営する川道さんも、アウトドアシーズンを前に頭を悩ませます。

<龍山秘密村 川道光司さん>

「週末親子50人くらい来る予定だったんですけど、道が通れなくなってキャンセルになったので全部片づけてます。お客様を通すには危険かなと思って」

迂回ルートの危険を少しでも減らそうと、道の石や木々を住民が取り除いています。

<住民>

「怖いなんて言っていられない、1本しか(道路が)ないんだから。もっと他に迂回路があると助かるけど」

浜松市は早急に対応したいとしていますが、復旧のめどはまだ立っていません。

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