線状降水帯 解明に向け気象庁が会議 予報士が解説

猛暑以外にこれからの季節、大雨にも警戒が必要です。気象庁は大雨の要因のひとつとして知られる「線状降水帯」の予測制度を向上させるため、専門家らによるワーキンググループの会議を開きました。

線状降水帯をテーマにした気象庁のワーキンググループは、大学教授や研究機関の専門家らで構成されています。6回目となる6月7日の会合では、線状降水帯の解明に繋げるため、発生につながる水蒸気の観測を強化することなど、新たな観測の整備を進めていくことが確認されました。また、去年行ったスーパーコンピュータ「富岳」を活用した実験で線状降水帯の予測が向上したことなどが発表され、今後も先端技術を活用し、更なる予測精度の向上を目指していくことで一致しました。

ここからは気象予報士の敷波さんとともに、「線状降水帯」について詳しくお伝えしていきます。

「線状降水帯」というのは、言葉の通り雨が降るエリアが線状になっていることなんですが、実はもう一つ大事なポイントがありまして、発達した雨雲が同じところに留まってしまうことなんです。たとえ降り方が強くない雨でも、同じ場所に数時間降り続くことで、冠水や川の氾濫、土砂災害などにつながってしまうことがこの線状降水帯の恐ろしいところです。

気象庁からは2つの情報が出されます。1つは、先日の大雨の際に関東甲信地方に向けて初めて発表されました「半日前予測」です。これは12時間前から6時間前に、線状降水帯が発生する可能性を地方単位で伝える予測の情報になります。

そしてもう1つが「線状降水帯の発生」です。これが出される時は既に長時間、雨が降り続いていて災害の危険度が急激に高まっている状態です。

ではこの2つの情報が発表された時に、私たちがどのような行動を取るべきなのか。台風や大雨のメカニズムに詳しい名古屋大学の坪木教授に伺いました。

坪木教授:「半日前予測は確実に予測なので、これが出たときは避難などの準備を初めてもらうということが重要。線状降水帯情報が出されるということの意味は、もうほとんど災害の発生が始まっているような状態。身の安全を確保していくということを考えてもらうことが重要」

ということで、「半日前予測」が出たときは避難の準備を始めることが重要です。そして線状降水帯が発生した時は、いつ災害が起きても不思議ではない状態のため、避難など安全の確保が必要となるということでした。これから梅雨に入りますので、線状降水帯に関する情報に注意してください。

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