ゴジラの体を思わせる岩場に激流が走る。ドローンで上空から眺めると、自然が織りなしたダイナミックな造形が浮かび上がった。
加古川中流域にある兵庫県加東市の名勝「闘竜灘」。滝の流れを見た江戸期の詩人・梁川星巌が「竜が闘うようだ」と例えて、その名が付いたとされる。古くは舟運の難所として知られ、夏はアユの漁場になり、人の営みを支えている。
兵庫県立人と自然の博物館(三田市)によると、1億年ほど前、恐竜が生きた時代の火山活動で流れ出た溶岩が冷え固まってできたという。
悠久の時を超え、川の流れに耐えて太古の奇観を現在に伝える。地球の息吹を感じさせる壮大なロマンがここにある。(斎藤雅志、中西大二)