京都市営地下鉄の新型車両に「ローレル賞」 経営難で導入に批判も、バリアフリーや省エネ化評価

昨年デビューした京都市営地下鉄烏丸線の新型車両。鉄道愛好家から高い評価を受けた(昨年3月、京都市伏見区・竹田駅)

 2022年3月に導入された京都市営地下鉄烏丸線の新型車両(20系)が、優秀な鉄道車両に贈られる「ローレル賞」を受賞した。市交通局の車両が選ばれるのは1981年の開業以来初めて。同局は「多くの人に新車両に触れてもらい、地下鉄を応援してほしい」としている。

 ローレル賞は、全国の鉄道愛好者でつくる「鉄道友の会」(東京都)が、毎年会員投票などを行って優秀車両を選定している。烏丸線新型車両は、老朽化した車両の更新に伴って導入され、現在は3編成が運行されている。

 受賞理由は市民参加による内外装デザインの策定、車いすやベビーカー対応のバリアフリー、走行性能の向上による省エネ化、立ち掛けシートへの西陣織や京扇子の展示など。

 新型車両は1編成(6両)約12億円で、25年度までに計9編成が導入される予定。一時、運賃値上げも検討された経営難の中での導入に市民から批判も浴びたが、市交通局は「受賞を機に多くの人に新型車両を知ってもらい、一人でも多くの人に乗車してもらいたい」としている。

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