2021年に設立が発表され、大きな議論や批判を巻き起こした「欧州スーパーリーグ」構想。このほど、ユヴェントスが同プロジェクトから撤退することを決め、メンバーであるレアル・マドリードとバルセロナに書簡で伝えたという。スペイン『マルカ』紙の電子版が伝えている。
「欧州スーパーリーグ」は2021年4月、上記3クラブを始めアトレティコ・マドリード、インテル、ミラン、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルなど12クラブが参加する形で設立が発表された。
チャンピオンズリーグに対抗する存在となる予定だったが、FIFAやUEFA、各大陸や各国のサッカー連盟が反対の意思を示したため、レアル・マドリード、バルセロナ、ユヴェントス以外の9クラブが即座に脱退を表明し、計画は頓挫した。
その後、この3クラブによって構想が継続されていたが、流れが変わったのは昨年11月。ユヴェントスが虚偽会計や不正なキャピタルゲイン等の疑いでトリノ検察から調査を受け、アンドレア・アニェッリ会長らクラブ役員10人全員が一斉辞任する事態に陥った。
さらにチームは勝ち点15ポイントを剥奪され、一度はこの措置が凍結されたものの、最終的には10ポイントの剥奪と罰金71万8000ユーロ(約1億7150万円)の支払いが決定し、7位でシーズンを終えることになった。
しかし、役員が交代したことでスーパーリーグ構想にも変化が訪れた。新しい役員はUEFA側と何度も接触し、チームへの制裁などについて交渉を続けた。その中で、スーパーリーグ構想を放棄しなければそれらの交渉が合意に達することはできないとUEFA側から通達され、スーパーリーグ構想からの撤退に踏み切ったという。
7位でフィニッシュしたユヴェントスは来シーズン、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場することになるが、万が一、スーパーリーグ構想を放棄しなかった場合は同大会への出場権が取り消されるだけでなく、さらなる勝ち点の剥奪や罰金など、より大きなペナルティーを受けることになっていただろう。