アルファロメオF1、ジェームズ・キーのテクニカルディレクター就任を発表。2023年9月より

 6月7日、アルファロメオF1チーム・ステークは、新テクニカルディレクターとしてジェームズ・キーの起用を発表した。キーは9月1日より、現テクニカルディレクターのヤン・モンショーの後任を務める。

 キーは、ジョーダン・グランプリでレースエンジニアを含むさまざまなエンジニアリング業務に従事したのち、2005年末に33歳でF1史上最年少のテクニカルディレクターに就任し、MF1レーシングの技術部門を指揮した。

 その後、フォース・インディア時代を経て、2010年にはザウバーに加入。2012年シーズン直前にザウバーを離脱後は、トロロッソを経て、2019年よりマクラーレンのテクニカルディレクターを務めていた。

 ただ、2020年、2021年とマクラーレンは好調を見せるも、その後は勢いを失い2022年はランキング5位。今年は2戦を終えた段階でランキング最下位10位に沈んだことで、マクラーレンは3月に技術部門の大規模な組織変更を実施。それに伴い技術部門のトップを務めていたキーはマクラーレンを離れることとなった。

 そんなキーが、2023年9月より、現在アルファロメオF1チーム・ステークとしてF1に参戦し、2026年からは新たなパワーユニットマニュファクチャラーとして参戦するアウディのワークスチームへと姿を変えるザウバー・モータースポーツに加入することが同チームにより明らかにされた。

 アルファロメオF1は「2010年から2012年にかけて、当時のザウバーF1チームのテクニカルディレクターを務めたキーがヒンウィルへ復帰することは喜ばしいことだ」とした上で、キーのテクニカルディレクター就任は、「ザウバー・モータースポーツが2026年にワークスチームとなるための準備であり、チームの意思表示となるものだ」としている。

アウディのローンチ・リバリーをまとったF1ショーカー

 キーは、「ヒンウィルに戻り、新旧ザウバーの同僚たちともに仕事ができることを嬉しく思う。ザウバーの長い歴史の中でもっとも重要な分岐点であり、エキサイティングな新しい未来に向かって、チームの技術面をリードすることを楽しみにしている」とコメント。

「我々の前には膨大な量の仕事が待ち受けているが、ヒンウィルで働くチームのメンバーのひとりひとりが、我々を頂点に導くために必要なコミットメント、決意、ハングリー精神を持ち合わせていると私は確信している。時間、努力、忍耐が必要であり、この仕事から得られるメリットは、次の2シーズン以降にしか得られないが、私たちの前には旅があり、ロードマップがある、まずはそれに着手したいと考えている」

「アンドレアス(・ザイドル/ザウバーCEO)が私を信頼してくれたことに感謝し、その信頼に応え、今後の挑戦と野望向け彼と緊密に協力して取り組むことを楽しみにしている」

2012年F1第15戦日本GP 小林可夢偉(ザウバー)/ジェームズ・キーの“置き土産”となったマシン『C31』は同年のコンストラクターズ6位獲得に寄与した

 そしてザウバーCEOのアンドレアス・ザイドルは「このチームの未来を切り開くために、ジェームズをヒンウィルに再び迎えることができ、嬉しく思っている」とコメント。

「彼が取り組むべき課題は、以前彼がここにいた頃とは大きく変わった。しかし、彼が以前にも見せたチームを成功させるための貢献や意欲、コミットメントは今でも同じだ。この非常に才能に溢れ献身的な人物とともに、チーム一丸となって、今後も成長の道を歩み続けることができるだろう」

「ジェームズのテクニカルディレクター就任は、新しい旅を始めるに欠かせない重要なステップだ。彼はテクニカルディレクターとしてだけでなく、さまざまな技術面での役割も含め、このスポーツにおいて卓越した豊富な経験を持っている。彼はチームの技術的変革プロセスを主導し、将来に取り組むために必要なツールと方向性を私たちに与えてくれるだろう」

「また、コンストラクターズチャンピオンシップで6位まで上昇した、この10年間で最も成功したシーズン(編注:2022年)を経て、ザウバーを現在の地位に導いたヤンの貴重な貢献に感謝したい」

2019年7月よりアルファロメオF1のテクニカルディレクターを務めたヤン・モンショー

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