部活動選手の月経、アプリで把握 大学や高校で体調を適切管理

体調などが管理できる専用アプリの画面

 部活動で女性選手一人一人の月経周期や体調を専用アプリで把握し、無理をさせないトレーニングを取り入れる大学や高校が増えている。監督が男性でも月経による体調不良を伝えやすくなったほか、けがのリスクも減少した。データに基づいた適切な指導が広がっている。

 「参加者32人、参加不可5人、月経中は6人」。東洋大女子サッカー部の石津遼太郎監督は練習前にアプリをチェックするのが日課だ。選手は朝と練習後、アプリに体温や睡眠時間、疲労度などを入力。監督はデータを見ながら練習メニューや各選手への声のかけ方などを考える。

 アプリはスポーツ関連企業ユーフォリアが開発した。選手のデータをグラフで詳しく見ることができるほか、月経になるとグラフにはお月さまのマークが付く。疲労度やけがの履歴も一目で分かる。以前は週に1度紙で管理していたが詳しい体調は把握できなかった。岡田樹コーチによると、体調が悪くてもレギュラー争いなどから「やれます」と無理を言う選手もいる。「練習負荷が高すぎるとけがをしたり無月経になったりする危険性もある」と話す。

© 一般社団法人共同通信社