愛生園入所者らの作品 岡山で展示 ハンセン病問題紹介のパネルも

入所者らの川柳や木工芸が並ぶ会場

 瀬戸内市の国立ハンセン病療養所・長島愛生園の入所者らの作品が並ぶ啓発展示会「長島からの風」が7日、岡山市北区天神町のRSKイノベイティブ・メディアセンターで始まった。26日まで。

 油彩画、写真、木工芸など66点を紹介。収容される患者が渡り、現在は朽ちている桟橋を描いた絵画には「我れ着し 収容桟橋 今日くずれ 帰る道 とだえしごとく」との短歌が添えられ、強制隔離政策に翻弄(ほんろう)された思いがにじむ。長島と本土を結び今年開通35年を迎えた邑久長島大橋にちなみ、「署名活動 皆の誠意が 橋架ける」「過去は過去 笑顔で渡る 島の橋」といった川柳もそろう。

 逃走防止を目的に園内でしか使えなかった通貨のほか、ハンセン病問題や架橋の歴史を紹介したパネルもあり、愛生園歴史館の田村朋久学芸員は「問題を学ぶとともに、架橋が入所者や社会にもたらした変化にも思いをはせて」と話している。

 午前10時~午後5時。無料。11、25日は田村学芸員らの講演、RSK山陽放送のドキュメンタリー番組の上映もある。

 展示は国の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(22日)に合わせて同社が企画し3回目。

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