リニア新幹線のトンネル工事を巡る静岡県の専門部会が6月7日開かれ、山梨県内で行われているボーリング調査について、複数の委員が「大量湧水に至ることはない」と中止を求める県に対し、反旗を翻しました。
<神戸大学 大石哲教授>
「高速長尺先進ボーリングについては大量湧水に至ることなくコントロールできると考えました」
リニア新幹線の工事を巡る静岡県の専門部会で議論されたのは、再びこの話題。山梨県で行われているボーリング調査です。
トンネル工事を見据え、地質や湧き水の量を調べるためのこの調査では、県が地下水の流出を懸念し、JR東海に対し、県境300m手前で工事をやめるよう求めています。
JR東海はこれまでの調査で水の流出量は非常に少なかったと説明していて、6月7日の会議で複数の委員からも「湧水はほとんど生じない」という意見が出されました。
一方、県は突発湧水につながる懸念がある以上、水の戻し方について合意するまでは掘削を認めないとしています。
<JR東海 中央新幹線推進本部 澤田尚夫副本部長>
「トンネルを掘ったりボーリングをやることによって、きのうまで100だったのに101になった。この1はボーリングの影響だから戻す対象でしょ?という理解でよろしいですか」
<森貴志副知事>
「はい、結構です」
ボーリング調査は現在、県境459m手前まで進んでいて、JR東海は合意を得られるよう県と議論を重ねたいとしていますが、見通しは不透明です。