今さら聞けない「なんとなく10.5度。これ正解?」ドライバーのロフトについて教えて

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
ゴルフ仲間の多くが使っているという理由で、なんとなくロフト角「10.5度」のドライバーを使っていますが、自分に合っているか分かりません。そもそもロフトによって球筋にどういう影響が出るのでしょうか? また、自分に合うロフト角を選ぶポイントを教えてください。

こんにちは、たけちゃんです!今日はドライバーのロフトについてお話しします

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

重要なのはダイナミックロフト(インパクトロフト)

【たけちゃん'sアンサー】
「ロフト」とはクラブフェースについた傾斜のことをいい、シャフト平行線(地面と垂直)とフェースの傾斜角度の差をを「ロフト角」という数値で示します。一般的に、パターを除くと一番ロフトの少ない(立った)クラブはドライバーで、その角度は10度前後となります。以下、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアン、ウェッジの順にロフトが増え、最もロフトが寝たクラブはロブウェッジの60度前後となります。

ドライバーのロフト角は8度~12度程が一般的(画像はピン「G430 MAX」)

ドライバーにおいてロフトが一番影響を与えるのはやはり球の高さです。ただこれは難しいところで、弾道にはヘッドスピードや打ち方など様々な要素が影響するので、球筋だけで適正ロフトは判断できません。球が高いからロフトが立ったものに替えればよい、逆に低いから寝たものに替えればよいという単純なものではないのです。

ダイナミックロフトはフィッティングでわかるよ!

私のフィッティングでは「ダイナミックロフト(インパクトロフト)」、いわゆるインパクトの瞬間のフェースの傾きを示す数値をチェックしています。ヘッドスピードにもよりますが、平均的なアマチュア男性の理想のダイナミックロフトは16度~18度(※測定機器によって誤差があります)と言われています。ダイナミックロフトが適正なのに球が低い場合は、単純に打点位置が低くトップしているか、シャフトが硬い可能性があります。ダイナミックロフトは目視では分からないので、気になる人はフィッティングを受けるなどして確認してください。

カチャカチャ機能は使った方が良い?

なお近年はロフトを変更できる「可変式スリーブ」、いわゆる“カチャカチャ”が付いているドライバーも多くなりました。割と知らない人も多いのが、ロフトだけでなく「ライ角(※)」や「フェースアングル」も変化できるということ。例えばロフトを寝かすとヘッドが左を向きつかまりやすくなり、ロフトを立てると右に飛びやすく引っかかりにくくなります。

※クラブのソール(ヘッド下部)を地面と平行に置いた時のシャフトと地面の間にできた角度

みんなはカチャカチャ機能使ってる?

球の高さだけでなく、球がつかまらないからロフトを寝かしたり、逆に引っかけを減らすためにロフトを立てたりという使い方もできます。カチャカチャを上手に使えばドライバーショットが安定する可能性は大いにあります。

初心者の方はスライス傾向が強く球が上がらない人が多いので、球が上がりやすくつかまりやすい10.5度(女性は12度~13度)を選ぶとよいでしょう。球が高くなりすぎたり、つかまりすぎると感じるようになってきたら、9度(女性は11.5度)などロフトの立ったモデルへの変更を検討していいかもしれません。

ちなみにクラブに表記されているロフト「表記ロフト」と、実際のロフト「リアルロフト」は必ずしも等しくはありません。メーカーやモデルによって異なることもありますので、実際に試打することをお勧めします。

たけちゃんの1分動画解説

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