退任したマルディーニ元TD、ピオリ監督からミランOBピルロ氏への指揮官交代を目論んでいた?

[写真:Getty Images]

ミランから去ることになったパオロ・マルディーニ氏は、チームに革命を起こそうと目論んでいたようだ。

スポーツ・ディレクター(SD)のフレデリック・マッサーラ氏とともに、テクニカル・ディレクター(TD)としてミランの強化を進めてきたマルディーニ氏。フランス代表DFテオ・エルナンデスやポルトガル代表FWラファエル・レオン、フランス代表GKマイク・メニャンといった柱となる選手の獲得にも成功してきた。

ベテランと若手がうまく融合したミランは、ステファノ・ピオリ監督のもとで徐々に成績を伸ばしていき、昨季は11年ぶりのスクデット獲得。今季は16年ぶりのチャンピオンズリーグ(CL)ベスト4入りという快挙を成し遂げた。しかし、マルディーニ氏とマッサーラ氏の強化方針が、クラブオーナーを務めるジェリー・カルディナーレ氏の考えと噛み合わなかったようで、急転直下マルディーニ氏の退任が6日に発表された。マッサーラ氏退任の正式発表もまもなくとみられている。

こうしてミランを去ることになったマルディーニ氏だが、イタリア『コリエレ・デッロ・スポルト』によると、ミランを去る前に指揮官交代を模索していたようで、ピオリ監督に代わりクラブOBのアンドレア・ピルロ氏をベンチに据えたいと考えていたという。

かつてピッチ上で共に戦ったマルディーニ氏とピルロ氏は固い絆で結ばれているようで、マルディーニ氏はその関係を仕事にも結びつけたいと考えていたとのこと。ピルロ氏は数年前にマルディーニ氏との関係を問われた際、「パオロ? 今まで一緒にプレーした中で最高の選手であり、彼は私の一部だ」と答えていたという。

現役時代のピルロ氏は稀代のレジスタとしてミランの黄金期を支え、2度のセリエA制覇や2度のビッグイヤー獲得などに貢献。その後、2011年夏にユベントスへフリーで移籍し、セリエA4連覇を味わった。

現役引退後の2020年夏には、マウリツィオ・サッリ監督の突然の解任を受け、リザーブチームの指揮官を務める予定だったものの、ユベントスで指揮官としてのキャリアをスタートさせることに。残念ながら、チームのセリエA連覇記録を「9」で途絶えさせてしまう結果となり、わずか1年で解任。今季はトルコのファティ・カラギュムリュクで指揮を執っていたが、シーズン終了前の5月末に退任していた。

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