Team HRCはビエルゲとマッケンジーを招聘。初日トップはAutoRace Ubeの2分06秒972/鈴鹿8耐テスト

 6月7日、鈴鹿8耐合同テストとして8耐特別スポーツ走行・4メーカー合同テストが三重県・鈴鹿サーキットで始まった。8月6日開催の鈴鹿8時間耐久ロードレースに向けて行われたもので、参戦権を獲得したチームが3セッションの走行を行った。

 前日は雨が降ったが、晴れ時々曇りの天気となった鈴鹿。最高気温が27度で終始ドライコンディションとなった。マシンは8耐仕様のゼッケンになり、ゼッケンやヘッドライトを点灯させていたチームも見られた。1日を通すと、転倒がありマシン回収などで、数分の赤旗中断もあったが大きなトラブルはなく、初日を終えた。

今野由寛(MURAYAMA HONDA)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 特別スポーツ走行

 8耐特別スポーツ走行ではMURAYAMA HONDA(秋吉耕佑/出口修/今野由寛組)が3セッションともにトップタイムをマーク。2分09秒台、2分08秒台、3度目のセッションには2分07秒899と徐々にタイムを上げていった。

 2番手は走行3回目に2分10秒341を記録したGOSHI RACING(黒木玲徳/田尻悠人/谷本音虹郎組)、3番手は走行2回目に2分11秒145を記録したSANMEI Team TARO PLUSONE(関口太郎/奥田教介/田所隼組)だった。

 多くのチームが全日本ロードレース選手権に参戦しており、鈴鹿戦では2分09秒台以内に入れているが、今回はMURAYAMA HONDA以外が2分10~19秒台だ。鈴鹿8耐のためにアベレージタイムを刻みつつ、初めて3人揃って走るチームなどは慣れるために時間を使っていた印象だ。

タラン・マッケンジー、長島哲太(Team HRC)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 4メーカー合同テストでは、Team HRCのホンダCBR1000RR-Rが登場。スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦中のイケル・レクオーナとチャビ・ビエルゲの走行が予定されていたようで初めはタイミングモニター上にも名前が記載されたが、レクオーナは先日のSBK第5戦エミリア・ロマーニャの接触クラッシュで左股関節の負傷、左足首の挫傷と診断されていた。

タラン・マッケンジー(Team HRC)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト
チャビ・ビエルゲ(Team HRC)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 そのため、実際に走ったのはビエルゲと、スーパースポーツ世界選手権(WSS)にMIE MS Racing Honda Teamから参戦しているタラン・マッケンジーだった。長島哲太はピットにはいたが、4月末にテストで足を負傷しており、バイクを走らせられない状態。2022年鈴鹿8耐の勝者である長島、レクオーナ、そして高橋巧はコース上に現れることはなかった。

津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト
ハフィス・シャーリン、ダン・リンフット(AutoRace Ube Racing Team)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 トップタイムはAutoRace Ube Racing Teamで、津田拓也が記録した2分06秒972だった。津田はマシンの確認を少し行っただけで、このテストから招集したハフィス・シャーリンとダン・リンフットにマシンを託していた。

 2番手はTOHO Racing(清成龍一/國峰啄磨組)の2分07秒059、3番手はTeam HRC(タラン・マッケンジー/チャビ・ビエルゲ組)の2分07秒096、昨年はTeam HRCのリザーブライダーだった水野涼を擁すAstemo Honda Dream SI Racing(渡辺一馬/作本輝介/水野涼組)は4番手だった。

生形秀之、ジョシュ・ウォータース、藤原克昭監督(S-PULSE DREAM RACING・ITEC)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト
ジョシュ・ウォータース(S-PULSE DREAM RACING・ITEC)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 さらに、S-PULSE DREAM RACING・ITECは、怪我でリハビリ中の生形秀之も現地に現れ、2023年の鈴鹿8耐に起用したジョシュ・ウォータースをサポート。2分08秒031を叩きだした。

亀井雄大(ヨシムラSERT Motul)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 続いて亀井雄大がヨシムラSERT Motulで2分08秒440を記録。亀井は全日本ロード仕様のマシンではなく、グレッグ・ブラック、シルバン・ギュントーリ、エティエンヌ・マッソンがEWCで使用しているセッティングのマシンを駆っていた。

岩戸亮介(Kawasaki Plaza Racing Team)/2023鈴鹿8時間耐久ロードレース 4メーカー合同テスト

 SSTクラス首位は、昨年の鈴鹿8耐でクラス優勝を果たしたKawasaki Plaza Racing Team(岩戸亮介/佐野優人/岡谷雄太組)で、2分09秒847だった。

 2日目となる6月8日はタイヤメーカーテスト、8耐特別スポーツ走行が2セッションずつ行われるスケジュールとなっている。

ジョシュ・ウォータース、タラン・マッケンジー、ダン・リンフット/2023鈴鹿8時間合同テスト

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