12万人が沸いた! BALLISTIK BOYZタイ武者修行の一部始終

(撮影:夛留見彩)

7人組のダンス&ボーカルグループBALLISTIK BOYZ(バリスティックボーイズ)が5月31日、ニューシングル『Ding Ding Dong』をリリース。同曲は、昨年8月からの半年間、タイに拠点を移して活動してきた彼らが送り出す意欲作。今回、女性自身初登場となるBALLISTIK BOYZにタイでの思い出や新曲の聴きどころ、そして5月でデビュー4周年を迎えた心境を聞いた。

メンバーは、日髙竜太(27)、加納嘉将(26)、海沼流星(23)、深掘未来(23)、奥田力也(23)、松井利樹(23)、砂田将宏(23)の7人。深堀、奥田、砂田はニューヨークに3年半の留学経験があり、海沼は母がブラジル人でポルトガル語がネイティブ、松井も中国語を話せるなど、グローバルなバックグラウンドを持つ彼ら。海外展開を視野に活動の場を広げてきた。

■タイでの武者修行は約半年間!

昨年8月から今年2月まで、同じくLDHに所属するPSYCHIC FEVER(サイキックフィーバー)とともにタイに渡り“武者修行”を敢行。12月にタイで開催された東南アジア最大級の音楽フェスティバル『BIGMOUNTAIN MUSIC FESTIVAL12』では、タイで絶大な人気を誇るラッパーのF.HEROとの共演をはたした。

「およそ12万人を集める音楽フェスは、草原のような広大な敷地で開催され、メインとなるMOUNTAIN STAGEをはじめ7つステージがありました。あんな大きな会場でパフォーマンスができたのはすごくいい経験になりました(深堀)」

熱量の高いパフォーマンスを披露し、タイの音楽ファンにその名を轟かせた7人。タイのアーティストたちから多くの刺激を受けたとも。

「僕らのようなボーイズグループは何十、何百組といて、同じような夢を追いかけている。全員が歌って踊れることは世界基準では当たり前。そこからもう一つ、強みになるようなことがないとダメだと痛感しました。タイのボーイズグループは、少しアメリカ寄りの楽曲もあって、率直にカッコいいなと思いましたが、負けていられないというか、先陣を切って突っ走っていきたいという思いが強くなりました(松井)」

タイの人気グループTRINITYとコラボレーションした新曲『Drop Dead』をリリースすると、過去最速でミュージックビデオが100万再生突破。タイの音楽チャートで1位を獲得するなど確かな実績を残した。

「今回は半年間のプロジェクトでしたが、これで終わりではなく、今後LDHが推進していくアジアプロジェクトの第1弾としてBALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERが参加した形。なので、すぐに結果を出すとか夢を叶えるというよりも、長いスパンでタイの文化を学んだり、タイのアーティストとコラボしたり、一緒に楽曲制作をしたりする過程で、少しずつ成果を上げられたらいいなと。最終的にはPSYCHIC FEVERと一緒に武者修行の集大成といえるライブができて、すごく達成感がありました。今後もいろんな国で単独ライブができるようになったら、自分たちの目標や掲げている夢をかなえることができるんじゃないかと思っています(日髙)」

タイ滞在中のオフについて尋ねるとーー

「グリーンカレーや蟹を使ったプーパッポンカレーが美味しかったですね。よく大きなショッピングモールに行きましたし、タイマッサージも体験。日本の3分の1くらいの料金でできるので、1週間に2回くらいのペースでしょっちゅうマッサージに通っていました(奥田)」

■新曲のテーマは人間の中にある「天使」と「悪魔」

武者修行を経てレベルアップした彼らが送り出す新曲『Ding Ding Dong』は、心の中の“誘惑”と“信念”を天秤にかけて葛藤する様子が表現された楽曲。

「今回の楽曲は、天使と悪魔という人間のなかにある二面性をモチーフにしていて、ダンスの振付けもそれを表現したものになっています。信念を貫こうとする天使パートと、誘惑に負けそうになる悪魔パートがわかりやすく分かれていて、1つの楽曲のなかで天使になったり、悪魔になったりするところが面白いと思います(松井)」

ミュージックビデオでは、その二面性の表現が見どころ。

「衣装が白と黒と違いますし、表現方法も二面性をしっかりと分けるように意識しました。BALLISTIK BOYZの楽曲のなかでもここまで振り切った感じのものはないと思います(日髙)」

「パフォーマンスはもちろん、メンバーのヘアスタイルも変えています。天使と悪魔、それぞれの雰囲気を感じ取ってもらえるはず(奥田)」

カップリング曲は、好きだった人との再会で改めて自分の気持ちに気づく心情を綴った『All About U』。

「この曲は、僕たちがタイにいる間も日本で待っていてくれた、ファンのみなさんへの思いを込めました。“久しぶりだね”という冒頭の部分からすべて、伝えたい思いをストレートに歌っているのでぜひ聴いてほしいです(松井)」

「こういうミディアムバラードを歌ってみたいと思っていました。メンバー1人1人の個性も出ていますし、ライブでもしっかりと歌で聞かせられるような曲。新しいBALLISTIK BOYZを見ていただけると思います(加納)」

せつない歌詞が印象的な『Lonely』は、深堀が制作したトラックに奥田、松井によるオリジナルリリックを乗せたヒップホップナンバー。こちらも、これまでになかったバラード調。

「ラップチームがメインボーカルっぽい曲を歌うということに驚くと思います。普段、一人のパートをじっくりと聴いてもらうことがなかなかできないのですが、3人それぞれのサウンドや声の特徴も表現されていて、ラップチームの声が届く曲になっていると思います(海沼)」

「ラップチームから、『少しバラードっぽい、最近のトレンドに入っているようなビートが欲しい』と言われて、この曲を作りました。もともと彼らの詞を書く力は知っていましたが、ここまでいいものに仕上げてくれてうれしかったですね。この一歩が今後に繋がればいいなと思っています(深堀)」

そう深堀が喜びを口にすると、「僕たちの理想を現実にしてくれた」と感謝の言葉が返ってきた。

「未来には話していなかったんですが、僕たちがやりたいと思っているようなビートがなかなかなくて、先に進めなかったという状況がありました。それが今回、未来が僕たちの求めていた曲を作ってくれて、理想が現実に。未来の才能にもリスペクトだし、いろいろな意見を取り入れながらできた曲なので、ファンのみなさんにもその思いを届けたい(松井)」

4月からスタートしたBALLISTIK BOYZの単独ホールツアーでも披露されている。

「かなりの時間をかけて出来上がった曲です。ライブでこういうパフォーマンスをしたらよくなりそうだなとかいろいろなことを想像しながら作ったので、ぜひ楽しみにしてください(奥田)」

■これからの目標はワールドスタジアムツアー

’19年5月にEXILE TRIBE初の“全員が歌って踊れる”グループとしてデビューした7人。今月デビュー4周年を迎えたが、これまでの活動を振り返って思うことは?

「僕らは、海外の経験もそうですが、(LDHの)どのグループよりも稀有な経験をさせてもらっているグループだと思っていますし、それこそ今回のタイでも新しい挑戦をたくさんさせてもらいました。デビューしてからいろんなことを乗り越えてきたぶん、チームの力はより一層強くなったと思います(砂田)」

また、4年間の活動のなかで一番印象に残っている出来事はやはり、今回のタイでのプロジェクトだという。

「デビューから半年後にコロナ禍に突入したこともあり、ファンのみなさんの声を聞けないライブしかやれませんでした。タイでは観客の声が100%を感じられるステージに立つことができ、やっと僕たちの本領が発揮できる! と感じることができました。7人でもがいて切磋琢磨した日々というのは、BALLISTIK BOYZのものすごく大きなターニングポイントになりました(松井)」

最後に、取材中、何度かメンバーが口にした「目指していること」について聞くと、日髙の「せーの!」のかけ声で7人そろってこの一言を。

「ワールドスタジアムツアー!」

「タイのフェスティバルでもBALLISTIK BOYZを知らない人がたくさんいましたが、僕たちのパフォーマンスや音楽をとても楽しんでくれました。このイベントをきっかけにファンになったという人もいましたし、こういう経験は今後も増やしていきたいと思います。そして、いつか世界各国のスタジオ級の会場でツアーを開催すること、それが7人の心を一つにして目指したいものです(加納)」

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