<コロナ5類移行1カ月>「もう9波に突入している」感染増に専門家指摘 千葉大病院・谷口俊文准教授 今後「急増に転じる恐れ」

千葉大病院の谷口俊文准教授(同大提供)

 新型コロナの感染動向について、千葉大病院感染制御部の谷口俊文准教授は7日、千葉日報社の取材に応じ「外来患者や入院時の検査で陽性者が増えており、千葉県の週報の傾向とも一致する。徐々に感染者が増え、5月初旬ごろから『第9波』に突入している」との認識を示した。感染拡大の背景として、オミクロン株派生型XBBの流行やマスクなしでの会食の機会が増えていることなどを挙げた。

 直近の感染動向について、徐々に拡大し続けていると分析。XBBは、過去に感染した人やワクチン接種者でも免疫を回避することから、感染拡大につながっているという。

 5類移行後、感染者の発表が週報に変更されたことで「定点観測数と、全数把握だった感染者数は非常に比較しづらい」と指摘。さらに、検査の公費負担廃止による検査数の減少も挙げ、正確な感染拡大の状況把握が難しくなっていると懸念した。

 今後の見通しについて「これまでの夏の動向を見ると、感染急増に転じる恐れがある」と推測。感染拡大防止に向け「ワクチン接種と検査を受けて、(陽性時は)早期に治療を受けてほしい」と求めた。

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