「いま僕はココにいます」Vol.169 スウェーデン編

戦略性も高いウルナG&CC

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・29歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はストックホルムにいます。

今週の欧州ツアー(DPワールドツアー)は「ボルボ スカンジナビア・ミックス」。スウェーデンに来たのは3回目ですが、これまではヨーテボリの試合で、今回初めて首都に来ました。前週のドイツから直行便です。

ストックホルムの市街地でキャディバッグを担いでいる青年が…

ストックホルムの街並みはすごくキレイ。ダウンタウンのホテルに宿泊しています。あちこちに配置されている共用の電動キックボードに乗って、キャディバッグを担いでいる男性がいて、思わず撮影させていただきました。

北欧でも様々なコースでゴルフをしてきましたが、練習ラウンドをした会場のウルナG&CCは「一番好きかもしれない」と思えるほど良いコースでした。湖をうまく使いながらレイアウトされていて、14番(パー3)は橋でつながった浮島グリーンが待ち構えます。とてもフェアで精度の高い技術が求められて、攻略のしがいがありそうです。

このスカンジナビア・ミックスは、なんといっても男女の選手が1つのタイトルを争う画期的な試合です。欧州女子ツアー(LET)の選手と同じコース、同じ時間帯、同じリーダーボードで競い合います。違うのは18ホールの総距離だけ。

パー3には浮島グリーンも

欧州ツアーにはオーストラリアで男女同時開催の試合もありますが、そちらは男女の組が交互にティオフし、それぞれに優勝者が誕生するフォーマット。今大会はまさに性別を超えた真剣勝負で、僕は初日に男子2人と女子1人の3サムで回ります。昨年は女子選手のリン・グラント(スウェーデン)が優勝しました。

男女のゴルファーはパワーの違いから、同じ設定でプレーするのは難しそうで、この試合はコースセッティングも絶妙。距離の違うティから1Wショットを打った後、2打目のクラブの番手がほぼ同じか、女子選手のショットも男子同様きっちりスピンが入って止まるように考えられています。ただ今回のコースはフェアウェイを横切るクリークが配置されているホールもあって、同じように手前にレイアップするとなると男子の方がちょっと有利かな…と思ってもいます。

さて、今週びっくりしたのが6日のニュース。PGAツアーとDPワールドツアーが対立してきたLIVゴルフと和解するという話題です。スコットランドの選手たちと練習ラウンドをしていたところ、「これ見てみろよ!」言われてツアーからの知らせを読んで驚きました。「良い方向に進むのか、まだわからないね…」と僕たち選手も少し混乱、事態を静観している状態です。

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