海は日本の「下水道」ではない 中国外務省

汪文斌報道官

 中国外務省の汪文斌報道官は7日の定例記者会見で東京電力が先ごろ、福島第1原発の港湾内で5月に捕獲したクロソイから国の食品衛生法が定める基準値の180倍の1万8000ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表したことについてコメントを求められ、次のように述べた。

 日本政府は福島原発の放射能汚染水を「潔白」とするため、水質について無害で、放出に理があるとし、海洋放出が唯一の選択肢としてきたが、再び事実によって「平手打ち」を食らった。

 国際社会に多くの疑念の声がある。放射能汚染水が日本の言うように安全無害なら、なぜ国内の湖沼に放出しないのか。なぜ海洋放出のためのトンネル建設を急ぐのか。日本の専門家委員会の答えは明確で、費用が最も少なくて済み、日本に対する汚染リスクが最も少ないからだ。こうした世界に付けを押しつけるやり方は極めて利己的で無責任な行為だ。

 海洋は全世界の公共財産で、日本の「下水道」ではない。福島の放射能汚染水処理問題で他の選択肢がないわけではない。以前、日本の経済産業省が五つの案を提示し、隣国の専門家も長期貯蔵など、より安全で適切な案を示した。しかし、日本政府は他の処理案については十分な論証をせずに、海洋放出を一方的に決めた。こうした私利のために全人類共通の利益を損なうやり方は国内外の人々を説得できないし、日本に汚点をもたらし、周辺国と太平洋島しょ国の人々に被害をもたらし、日本が国際社会の信用を一層失うことになるだけだ。〔東京6月8日発中国通信〕

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