ハンバーガー日本一の座を争う!横浜・赤レンガ倉庫でライブ感あふれる“職人×職人の戦い”

四角いジャングルではなく“丸いバーガーバンズ”を舞台に、全国のハンバーガー好きをうならせる熾烈(しれつ)なバトルが繰り広げられようとしている。

日本一のハンバーガーを決定する大会『Japan Burger Championship 2023』。2023年6月9日(金)〜11日(日)の3日間にわたって横浜・赤レンガ倉庫にて開催される予定だ。

この大会ではファストフード店とは一線を画す、食材や作り方にこだわったハンバーガー、いわゆる“グルメバーガー”と呼ばれるハンバーガー店が集結し日本一の座を争う。しのぎを削るのは国内の有名ハンバーガー店、計12店舗。優勝したチームはアメリカ・ダラスで開催される『World Food Championships 2023』(2023年11月)への出場権を獲得し、ハンバーガーの本場で世界一に挑戦することになる。

2022年大会を制したのは『SHOGUN BURGER (ショーグンバーガー) 』
創業35年の焼肉屋が本気でつくった和牛ハンバーガーの専門店だ。

2022年大会の覇者『SHOGUN BURGER』チーム
分厚い和牛パテ、チーズ、トマトの上にオクラをトッピング

■日本のハンバーガーは世界トップレベル

現在の日本のハンバーガーは「間違いなく世界トップレベル」と話すのは、大会の主催者で飲食コンサルタントの中島輝行さんだ。長年、飲食業界に従事してきたという中島さんは、アメリカの食文化に魅了されたという無類のハンバーガー好きだ。

『Japan Burger Championship 2023』主催者 中島輝行さん

中島 毎年アメリカに行く際に本国の物を食べ歩いていても、それを超えるものに出会う事がなくなったことが一つの裏付けになります。日本では既に存在したファストフードのイメージから脱却する事に必死だったので、結果的に品質、素材へのこだわりや、調理法の発明などが短期間で向上したのだと思っています。1つの物を突き詰める日本人の気質に、予め上下がバンズに挟まれている“制約”が存在するこの料理は、向いているのだと個人的に思っています。

さらに中島さんは「ひと昔前にラーメン屋や、寿司、天婦羅を来日目的にしていた観光客が、最近はハンバーガー店を目的地にしていたり、一般層にも少しずつ日本のハンバーガーの品質の高さが知られてきている」と、海外から日本を訪れる観光客の食の傾向の変化も感じているそうだ。そんな中島さんに今大会の見どころや出場する各店舗のハンバーガーの魅力を語ってもらった。

■ ここでしか味わえない“究極のチーズバーガー”が激突!

『Japan Burger Championship』は各チームが制限時間や、使用食材、参加人数など、限られたルールの下で「食」をテーマに戦う“フードスポーツ”と呼ばれる形式で、日本一のハンバーガーの座を目指す大会だ。

普段店舗で提供しているハンバーガーとは違い、競技として作るハンバーガーは、審査で高得点を取る為に特化されたものでなくてはならず、中島さんによると「美味しさだけを追求しても勝てない」のが面白いところだという。スポーツというだけあって緊迫した戦いが目の前で繰り広げられるなど“ライブ感”が特徴的なイベントのようだ。

2022年大会の調理風景
2022年大会の調理風景
2022年大会の調理風景

去年は「90分で作る最高のハンバーガー」という自由度の高いお題だったため、審査をする上でも基準を設けるのが難しかったという。そこで今年からはもう少し縛りのあるテーマを設けることにしたそうだ。予選ラウンドのテーマは「世界のバーガーファンに食べさせたい“究極”のチーズバーガー」だ。その理由について中島さんは・・・

中島 まさしく“基準”という事で「チーズバーガー」にしました。英語でアボカドバーガーは「Avocado Burger」、ベーコンバーガーは「Bacon Burger」なのに対して、チーズバーガーは「Cheeseburger」という1語なのです。それくらいアメリカでは、「ハンバーガーはチーズが入って初めて完成される料理」と考える人が多く、「Hamburger」と並び、“基準”となっています。チーズの種類もたくさんあるので、各店がどんな種類のものを使用するのかも見どころです。

■フード界の“異種格闘技戦”各ハンバーガー店の個性が激突!

さらに今大会の見どころについて中島さんに聞いてみると「“グルメバーガー”ブームを作り上げたレジェンド店から、昨年創業したばかりの新店、使用する食材や、お店のコンセプト、客層やハンバーガーに対する考え方の違う者同士が、同じ土俵で戦うという、フード界の異種格闘技戦です」とのこと。

四角いジャングルならぬ“丸いバーガーバンズ”というリングで、一体どんな戦いが繰り広げられるのか。そこで予選1日目から各対戦カードについて解説してもらった。

1日目 『B.B.Q KIMURA』VS『柳屋×ぷくがり』

中島 「グルメバーガー店」と言われる業態だけが専売特許を持っているわけではない!むしろアメリカでは王道とされる、BBQの〆のハンバーガー、そしてバーガーを構築する最も大事なパーツであるパティとバンズの専門家が繰り出すコラボバーガー。「ハンバーガーは自由な食べ物」と、今一度思い出させてくれる、開幕に相応しい一戦です!

KIMURAさんはアメリカンビーフを脂を落としながら焼くスタイル、対して柳屋×ぷくがりは最上級ブランド和牛の仙台牛100%。パティ一つ取っても全く異なるアプローチなので、両店出来上がりが楽しみです!

1日目 『MARTINIBURGER』VS『3000日かけて完成した極上ハンバーガーField』

中島 創設者エリオット・バーグマン氏が、故郷のNYCを体現させたお店がMARTINIBURGER。ハンバーガーだけでなく、お酒、インテリアやBGMまでこだわっています。2010年創業なので、現ハンバーガー業界では十分「老舗」に当てはまるベテランです。名店AS CLASSICS DINERや、大阪のCRITTERS BURGERで修行をした金井シェフを新たに迎え入れ、更なる高みを目指します!

対してFieldは、20年前にNYCで食べたハンバーガーが忘れられず、ハンバーガー店を開業するに至った経緯があります。3000日の歳月をかけて完成させた秘伝の肉ソースには、赤みそやママレードが隠し味に。素材の引き出しの多さを競技でも見せてくれるはずです!

1日目 『PENNY’S DINER』VS『ガクヤバーガー』

中島 元々、コカ・コーラ社ロゴグッズの輸入会社を運営していたお父様と、いつかコレクションを飾ったハンバーガー店をやりたいと夢見ていた(PENNY’S DINERの)湯浅シェフ。大桟橋の目の前に構えた、50年代アメリカをそのまま切り取ったようなダイナーが、人気店に成長するのに歳月は必要ありませんでした。U.S.牛を毎朝ブロックから解体し、ステーキの様なゴリゴリとした触感が特徴のパティに、アメリカ料理店で修業をした湯浅シェフが作るソースや付け合わせが光ります。

対するガクヤバーガーは「ハンバーガーを焼くのが自身の人生」と話す、飛松シェフが繰り出す芸術品の様なバーガーが人気。ハンバーガーの積み上げを「ビルド」と呼ぶのですが、ことビルドのきれいさは日本トップクラス。竹炭を使用した黒バンズや、自家製玉ねぎ麹(こうじ)など、細部まで徹底しています。

2日目 『BORDERTOWN』VS『J.S. BURGERS CAFE』

中島 まだ「グルメバーガー」という言葉が生まれていなかった2000年、新宿南口に創業したJ.S. BURGERS CAFE。現在のハンバーガー専門店のシェフや、バーガーファン達の中で、最初に口にした本格バーガーがここだという人も多いはず。そんな業界の歴史、トレンドの変遷を見守ってきたレジェンド店が、新たな料理長に抜てきしたのは、日本人の血を持ちながら西海岸で生まれ育った平野シェフ。アメリカ×日本の料理、食材の良いところを上手くフュージョンし、今大会に臨みます。

対するBORDERTOWNの佐久間氏は、自身が後に開業するハンバーガー店のヒントを探しに、食べ歩いていたころ、何度もJ.S. BURGERS CAFEにも足を運んでいたそう。自身のハンバーガーを「型にはまらない自由なバーガー」と表現する通り、世界中の調味料を上手に駆使した絶品ソースが最大の武器!

2日目 『潮見スキッパーズ』VS『Burger Big Bang PJ』

中島 2002年創業の伝説の名店Baker Bounce。中島もハンバーガー店巡りをしていた2005年頃にお邪魔しました。三軒茶屋駅から近くもないし、決して良い立地とは言えない場所に突如現れる行列を今でも覚えています。六本木ミッドタウンが開業した際に2号店が1階にオープンし、当時個人店のハンバーガー屋にバーガードリームを魅せてくれました。年商14億円、輩出したシェフの数は数えきれない程。

国内のハンバーガー界に多大な影響を与えた渡邊氏と対戦するのは、潮見の名店、スキッパーズ。2000年開業のBROZERS’で店長まで務めた東條シェフが作るハンバーグは、パティ、バンズ、ソース全てが手作り。中でも羅臼と利尻の昆布、どんこしいたけに帆立の出汁を入れて作るオニオンソースは絶品!職人×職人の戦いは今大会1番の注目カードです!

2日目 『GROW』VS『Yummy Burger』

中島 自身が育った、奥州市江刺の町が寂しくなっていくのを見て、今大会に出場し、故郷に錦を飾りたいと応募してきた(GROWの)菊地シェフ。ご自身が数枚のTシャツと帽子だけを着まわすミニマリストで、ハンバーガーに関しても、必要な物だけを追求していった結果、バンズとパティとチーズだけ残ったというシンプルなスタイルになっています。USビーフに岩手山の和牛の牛脂をブレンドし、日米の牛肉の良いところを掛け算しています。

対するYummy Burgerは、寺田倉庫が有する、TYSONS & COMPANYが展開するアメリカンレストランで、副料理長まで勤め上げた尼崎シェフが繰り出す、今大会唯一のスマッシュパティのハンバーガー。USビーフの中でも最高級と言われるプライムグレードを惜しみもなくひき肉にし、高温の鉄板で押し焼きにすることで生まれる、カリっとした触感と、旨味でGROWを迎え撃つ!

■ハンバーガーを審査するのは各分野のスペシャリストたち

大会実行委員長として中島さんが一番注視したのは、審査員それぞれの性別、年齢、経歴、ハンバーガーへのアプローチの仕方など、プロファイルの差異、そして4人集まった時の調和だそうだ。

「食したハンバーガーは6000種以上」ハンバーガー女子エリさん

中島 昨年に引き続きお願いしたエリさんは、日本のバーガーを47都道府県食べ歩いた生粋のバーガーマニア。生き字引のような知識と培ったプロファイリングを武器に、審査をしてもらいます。

日本食文化会議理事・ジャパンビアソムリエ協会会長 山上昌弘さん

中島 同じく昨年出演し、関係者からも好評だったのが、ジャパンビアソムリエ協会の山上さんです。ハンバーガーに限らず、日本の郷土料理やチーズなどにも精通する生粋のグルメ家からの視点は、ハンバーガー専門職の方とはまた違った講評を頂けます。本職であるビールはバーガーの最高のパートナーなので、ビール目線のコメントも注目です。

2022年大会の覇者『SHOGUN BURGER』ヘッドシェフ 扇谷厚子さん

中島 今回新たに審査員団に加わった扇谷シェフは、去年の大会の覇者であり、世界大会を経験済みの、現段階で最もフードスポーツを知っている方です。普段の調理ではなく、競技としての調理への心構えや、考え方は、経験したことがないとなかなか想像し得ません。料理人、そしてフードスポーツのプロの目線から見て頂きます。

雑誌でハンバーガーの連載企画を持つ 俳優・小林亮太さん

中島 そして小林亮太さんはグルメウォーカーPLUSでハンバーガー連載を持つ、根っからのハンバーガー好きとして有名です。「その人の良いところをみつけるように、向き合うバーガーも良いところを探すことに注視する」とおっしゃるように、バーガーへの愛があふれるコメントが楽しみです。

■今年は大会そのものがバージョンアップ!

去年は競技に参加する店舗が8店、販売のみが3店という規模で百貨店のイベントスペースで行われた。ところが今大会は競技に参加する店舗が12店に拡大。さらに会場ではハンバーガーのほかフライドポテトやビールも堪能できるなど「フードフェス」形式のイベントへと大きく様変わりした。

中島 昨年大会や世界大会のメディア露出も助かって、沢山のバーガーファン達が楽しみにしてくれているのが、SNSの書き込みや、メディアの紹介からも見て取れるので、会場の熱量は桁違いになるのではないでしょうか。競技用のハンバーガーを限定数販売したり、クラフトビールや、日本全国から集まったフライドポテト専門店の逸品を食べる事ができたりと、楽しみ方もたくさんある魅惑のイベントに成長したと思っています!
観客はハラハラドキドキと緊迫した空気、MCによる実況でのライブ感、腕利きのシェフが織りなす超絶技巧を目の前で観、焼きあがるパティの音を聴き、いぶしあがる肉の香りを嗅ぎ、そして会場内で販売される絶品バーガーを食す!といった、五感で楽しめるイベントです!

『Japan Burger Championship 2023』
今年2回目の開催となる日本一のハンバーガーを決める大会。全12店舗でハンバーガーの完成度を競い、優勝チームは、世界大会『World Food Championships』内の『World Burger Championship』ハンバーガー部門に日本代表として挑戦。会場では、大会出場店舗のハンバーガーを食べることができるほか、コラボグッズや人気アパレルなどの物販やドリンクも販売する。

<期間>
2023年6月9日(金)~11日(日)※雨天決行(荒天候時は中止)
6月9日・10日 11:00~20:00(閉場21:00)
6月11日 11:00~17:00(閉場18:00)
<場所>
横浜赤レンガ倉庫(神奈川県横浜市中区新港1-1)
<入場料>
無料(※飲食は有料となります。)
<販売店舗>
ハンバーガー、フライドポテト、ビールなど計22店舗
公式HPはこちら
公式Instagram @jburger_2023

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