兵庫県内の待機児童、5年連続減の241人に 希望施設に入れない「隠れ」は4620人に増加

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 兵庫県は8日、認可保育所などに入れない待機児童数が、4月1日時点で昨年同期より70人少ない241人だったと発表した。減少は5年連続。保育施設を整備した明石、尼崎市など8市町で減った一方、加古川市など昨年ゼロだった4市町を含む8市町で増えた。県は「新型コロナウイルス禍での保育施設の利用控えが解消した影響もあるのではないか」とみる。

 県によると、県全体の保育定員は12万3660人で、昨年同期より1696人増加。利用申込者数は11万8390人で938人増えた。特定の施設を希望するなどして入れなかった「隠れ待機児童」は、431人増の4620人だった。

 待機が解消されたのは赤穂市と太子町。明石市は保育施設の整備や1歳児の受け入れを進め、56人減の44人になった。尼崎市も施設整備や利用調整を進めたことから、28人減の48人に。姫路市は定員拡大に加えて申込者数が減ったため、11人減の32人となった。

 昨年のゼロから新たに待機が生じたのは加古川市(15人)のほか、稲美町(9人)、豊岡市(2人)、養父市(1人)だった。

 隠れ待機児童は保護者が育児休業を延長したり、求職活動を休止したりするケースも含む。特定の施設を希望して入れなかったのは2353人で、阪神間など都市部を中心に多い。一方、山間部などでは定員に満たない施設もあった。

 県こども政策課は、定員割れした施設を維持するため、地域の子育て支援拠点として多機能化することを検討する。斎藤元彦知事は「地域の保育事情を見極めつつ早期の待機児童の解消に努める。同時に、人口減少地域で持続可能な保育を提供できるよう考えたい」とする。(金 慶順)

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