5月中の産卵確認なし 日向市のアカウミガメ

日向市のお倉ケ浜で今年初めて確認されたアカウミガメの産卵場所

 県指定天然記念物のアカウミガメが毎年上陸、産卵している日向市の海岸で、今年は産卵が5月中に確認されなかったことが分かった。2001年に「日向市アカウミガメ研究会」(児玉嘉嗣会長)が調査を開始して以降初めてという。
 同会によると、今年初の産卵を確認したのはお倉ケ浜で今月1日。その後も8日まで、確認できていない。同市でのアカウミガメの産卵は、93回だった12年をピークに減り続け、最も少なかった21年は8回にまで落ち込んだが、その年でも5月中の産卵はあったという。
 お倉ケ浜の塩見川から赤岩川までの間を調査している同会の黒木豊さんら(72)は1日午前5時ごろに砂浜に上陸跡があるのを発見。卵を確認して埋め戻した上に、タヌキなどの食害を防ぐための網などを設置した。黒木さんは「ようやく産卵を確認できた。これから盛り返すのを期待したい」と話している。

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