心構えと注意点は? いろんな夏カゼ… 子どもに増えています 連続してかかることも

最近、「夏カゼ」の症状があるお子さんがまわりに増えていないでしょうか? マスクで完全防備していた3年間が終わり、さまざまなウイルスにさらされる今、感染症にかかる子どもも増えています。心構えと注意点を確認してきました。

広島市南区にあるもり小児科では、1週間ほど前から「夏カゼ」の症状で受診する患者がかなり増えたといいます。

もり小児科 森美喜夫 院長
「特別、どれがはやっているというのでなくて、いろんなカゼが一気にはやって、ここのところ1週間、患者さんはとても多い」

保育園に通い始める年齢に多く、いったん熱が引いても、せきや鼻水が残っている状態でまた発熱するというような連続した罹患も少なくないそうです。

森美喜夫 院長
「コロナ(対策)でカゼがはやらなかった時期が3年間あったので、3年分のカゼを一気にここ1~2週間、1~2か月の間にかかっているという感じだと思いますね。連続してかかるので、親は心配される」

7日、発表された広島市の感染症週報によりますと、先月29日からの1週間で▽RSウイルス感染症が定点あたり3.25人、▽A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が定点あたり3.67人と微増。

また、ヘルパンギーナは0.71人ながら増加しています。さらに広島県ではアデノウイルスによる咽頭結膜熱、いわゆる「プール熱」が東広島市などのエリアで定点あたり4.33人と警報開始基準値を上回ったことから、今月1日、咽頭結膜熱警報を発令しています。

自分で不調を訴えられない幼い子どもたちの場合は、発熱に加えて、遊ぶ元気があるか、水分がとれているかなどが判断材料になります。

森美喜夫 院長
「水分が摂れないような感じになってくると、それはちょっと状態が悪いと判断します。だから38~39℃の熱がずっと続くようなときは2~3日おきには受診して、状態をチェックすることが必要かなと思いますね」

とはいえ、森院長は心配しすぎなくていいとおおらかに受け止めています。

森美喜夫 院長
「人生の中でどこかでかからないといけないカゼなので、そんなに重症になるものじゃないので、かかるのは仕方ないかなと。そうやって子どもたちは強くなっていくんだろうなと」

小さい子どもさんを育てる家庭はてんてこまいだと想像しますが…

もり小児科 森美喜夫 院長
「今は非常に感染症が子どもたちにはやっているので、親御さんは覚悟してくださいよということと、親御さんが属する社会・会社は、親御さんが(仕事を)休むことなどについて寛容であってほしいなと思います」

最近流行中の感染症

RSウイルス感染症…発熱・鼻水・せき
溶連菌性咽頭炎(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)…発熱・のど痛・手足舌に発疹
ヘルパンギーナ…発熱・のど痛・のどに発疹・水痘
咽頭結膜熱=プール熱(アデノウイルス感染症)…発熱・のど痛・結膜炎・頭痛

もり小児科の森院長によりますと、「かからないようにするのは無理。社会生活ができなくなる」。それよりも「規則正しい生活をして、かかったとしても重症化しにくい抵抗力をつけることが大切」とのことでした。

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