NEOWIZより発売予定のPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用ソフト「Lies of P」。本記事では体験版のプレイレポートをお届けする。
「Lies of P」は、童話「ピノキオ」の世界をモチーフにしたソウルライクなアクションRPG。プレイヤーは主人公・ピノキオを操作し、狂気と殺人人形に支配された都市・クラットを探索することになる。

筆者は、ソウルライクの作品となると「エルデンリング」が初めて触ったゲームであり、歴で言えばかなり浅めにはなるだろう。ただ「エルデンリング」をプレイした時に、このジャンルのゲームの魅力にはまってしまい、以降は様々なソウルライクのゲームや、死にゲーと呼ばれる作品をプレイしてきた。
そのため、本作も情報が出た段階から気になっており、プレイできる機会を待っていた。ソウルライクということはもちろん、童話「ピノキオ」にダークな要素を足した世界観ということで、設定だけでも“どんなゲームに仕上がっているのか?”とワクワクしてしまう作品だ。
体験版では物語の導入に始まり、先行プレイレポートで触れられていたチャプター2までがプレイ可能となっていた。本記事では、いままで触れられていなかった物語の序盤やピノキオ以外の登場人物、そして本作の肝となる“嘘”にスポットを当てて紹介していく。
基本的なシステムや操作、プレイインプレッションなどは別記事もチェックしてほしい。なお、今回のプレイはPS5版で行っている。

■ピノキオの目覚め――嘘をつかなければ入れないホテル・クラットへ
ソフィアと名乗る女性の声で目を覚ましたピノキオ。彼女からホテル・クラットへ来るように告げられたピノキオは、恐ろしい人形たちが闊歩するクラットの街に足を踏み入れることになる。
襲い掛かってくる人形たちに対抗するため武器をとるピノキオ。バランス、スピード、パワーといった感じに分けられた3つの戦闘スタイルから自分の好きなものを選ぶことになる。それぞれ、初期装備とパラメーターが異なっているが、装備する武器は後で入手することができた。



戦闘スタイルを選んだあとは、ピノキオを操作して人形たちとのバトルに挑むことになる。アクションに関しては、基本攻撃と特殊攻撃/チャージ攻撃でダメージを与えていきつつ、回避やガードを駆使して立ち回る。ソウルライクのゲームをプレイしたことがある人であれば、すぐになれるだろう。プレイしたことがない人は、難易度の高さがネックになっているかもしれないが、操作自体は特別難しいというわけではなく、どちらかと言えばシンプルよりだと筆者は思っている。
体力やスタミナの管理、回避やガードのタイミングなどは経験しなければわからない要素であり、それを試行錯誤していく作業こそがソウルライク作品の醍醐味の一つだ。


出現する敵は、見た目はもちろん、攻撃方法も様々なタイプが存在する。初見の敵だと苦戦するときもあったが、基本的には一対一で戦えば、そこまで手こずることはなかった。しかし、一対一で戦っていたとしても、“その音を聞きつけて、他の敵が近寄ってきているかもしれない”と警戒しなければならないのもソウルライクの定め。
実際に筆者も1体の敵と戦っていた時に、背後から近づくもう1体の敵に気付かなかった。ホラーゲームをプレイしていた時のような驚きをしていたのも束の間、2体からの絶え間ない攻撃をくらい続け、HPがゼロになる寸前まで追いやられてしまった。
戦う前はもちろん、その最中でも周りの状況を常に確認するということは心掛けておいた方がよさそうだ。そして、いかに一対一の場面を作りだせるかが上手く進めるポイントとなる。



エリアを進んでいくと、この先にボスが待ち受けているといわんばかりの頑丈な扉を発見。恐る恐る調べてみると、専用の演出とムービーが流れ始め、“パレードマスター”という名が付いた敵が出現した。最初の1、2回は相手の行動を把握するために、様子見感覚で挑むことに。ソウルライクではおなじみ、HPを一定まで削ると、その前とは違う行動をしてくるといった挙動も見せてきた。
敵の動きさえ理解してしまえばこちらのもの。敵の攻撃モーションや回数に応じて、回避するタイミングや方向をあわせて、無理のない範囲で攻撃を与え続けて、無事に倒すことができた。
ボス戦の中で気が付いたことが、敵が何かを喋っているということ。字幕で表示はされているものの、ぼやけて表示されており、何語かも非常にわかりづらくなっている。今後のストーリーで敵が喋っていた内容が明かされることはあるのか、周回プレイをすれば内容がわかるといったギミックが用意されているのか、今から非常に気になるポイントだ。




また、今回のエリアに登場するボスに倒された後に試してみたことがある。それが、復活した場所からボスのいるエリアまで走って無事にたどり着けるのかということ。道中にいる敵がどこまでついてくるのか? ということも知れるので、実際にやってみたが、結果的には無事にたどり着くことはできた。
しかし、道中に見かけた敵は、ほぼすべてが付いてきていた。足の速い敵なら、すぐ後ろに迫る勢いで、一度攻撃を被弾してしまうと一気に囲まれて、かなりの数の敵と対峙しなければならなくなるので注意が必要だ。
道中にいた商売人に話しかけて、敵の追跡を振り切れるのかも試してみたが、こちらは失敗。商品を選択中に問答無用で背後から攻撃を加えられ、一気にHPがゼロ近くまで削られてしまったので、こちらはあまりオススメできない。

■ホテル・クラットにはピノキオの旅をサポートしてくれる人々が
数々の敵を倒し、ようやくホテル・クラットに到着。目的地を目の前にして、ソフィアから「人形はホテルには入れない」という衝撃の言葉を告げられる。そんな重要なことを今言うのかと思いながら、彼女の言葉を続けて聞いていると、「中に入るためには嘘をつかなければならない」とのこと。実際にホテルの入り口を調べると、“人間”か“人形”か尋ねられた。無事にたどり着きたいという一心で“人間”という嘘の選択肢を選ぶと、ホテルの中へ入ることができた。
ちなみに“人形”という真実の選択肢を選んでいたらどうなるのか。「人形はホテルのセキュリティに排除される」というソフィアの言葉におびえながらも“人形”と回答してみた。結果的には「人形はホテル内に入れられない」と返答があり、何かが起こるというわけでもなく、会話が終わった。ホテルの中に入らなければ、ゲーム自体は進行しないので、この場面に限っては嘘の選択肢を選ぶ必要がある。
しかし、今後登場するクエストなどではプレイヤーの思うがままに、真実か嘘かの選択肢を選ぶことができる。嘘をつくことで“人間性”を獲得でき、そのポイント総数でゲーム進行やエンディングが分岐するとのことだ。



ホテル内では、声だけが聞こえていたソフィアと対面することに。その他にも、ホテルの主・アントニアに加えて、ポレンティーナ、ユージニーといった人達の姿も。それぞれピノキオに友好的であり、アイテムの売買や武器の強化もしてくれる。
今回の体験版の中では、彼女たちがどういった人物なのか深く語られることはなかった。今は謎多き人物として存在しているが、彼女たちの素性が語られるのかにも期待したい。
……しかし、ソフィアはもちろん、アントニアやユージニーたちもピノキオを人形だということを知っている、もしくはゼペットから聞いていると言っていた。だが、ホテルには人形は入ることはできず、入れたとしても排除されてしまうとソフィアは語っていた。人形であるピノキオがホテル内にいること、そしてそれを認知している人々……。これらの謎が解消されるのか、今後のストーリーに期待だ。




■ゼペットを探すために探索へ――敵の待ち方がとにかく嫌らしい
ソフィアからゼペットを探してほしいと頼まれたピノキオは、ホテルを後に、新たなエリアへ向かうことになる。エリアが変わることにより、出現する敵も変化してくる。最初とは比べ物にならないほど強くなっているというのはもちろん、それ以上に思ったのが、敵の待ち方がとにかく嫌らしいということ。
建物の影から急に現れて攻撃してくるものや、屋上から一方的に遠距離攻撃をしてくるもの、はたまた建物の出入り口を壊して出現する敵も。敵の姿が見えないからと言って油断していると必ず痛い目を見てしまう。FPSやTPSのクリアリングのような動きを心掛け、常に緊張状態でいなければならないというのもソウルライクの醍醐味ではある。




何とかエリアを進んでいくと、ゼペットに対して怒鳴り声をあげる者の姿が。「錬金術師との共謀」など不穏なワードに加えて、ピノキオに対しても「お前の正体を知っている」「悪魔の人形め!」と言葉を吐き捨て、急に襲い掛かってきた。“狂気のロバ”と名の付いた敵は、大きな剣を扱うため、そこまで動きは早くないだろうと思っていたが、一撃のダメージ量が多く、モーションの速い動きも多用してきた。
それに加え、戦う場所は横幅が狭く、障害物の多い一本橋ということもあり、苦戦を強いられることに。隙の多い攻撃をしてきた時を狙い、反撃を加えて何とか倒すことができた。

一息つく間もなく、馬車の客室から降りてきた一人の老人。ピノキオを見て「遂に出会えたな、息子よ」と声をかけたその人こそゼペットだったのだ。
通常であれば再会を喜ぶシーンではあるのだが、先ほどの敵が言っていたこともあり、筆者はゼペットに対して一抹の不信感を抱いてしまった。




助けを借りたいというゼペットの頼みもあり、さらに先に進むことになったピノキオ。道中、建物の窓辺に人の影があるのを発見し、近づいてみると、女性が泣きながら「赤ん坊を探してきてほしい」と懇願してきた。彼女の悲しい境遇、病気でだんだん目が見えなくなってきているということを聞き、さすがに可哀そうだと思い、願いを聞き入れることに。
手がかりを探すも、赤ん坊の姿はなく、見つけたのは壊れた赤ん坊の人形だけ。これを彼女に渡すという酷な選択になるのだが、目の不自由な女性は渡した人形が本当に自分の赤ん坊だと信じてしまう。「かわいいでしょう?」と尋ねてくる彼女に突如、“それは人形だ”と“かわいい赤ん坊だ”という選択肢が。ここまできて人形だと告げるのはひど過ぎると思い、嘘の選択肢である“かわいい赤ん坊だ”を選ぶことに。
仮に逆の選択肢である真実を告げた場合、どのような反応が返ってくるのか気になるものの、さすがにその結果を見たくはないというプレイヤー側の人間性が出て、確認するには至らなかった。本人が幸せならばそれでいいと思い、その場を後にした。



エリアの最深部では、待ち構えていたといわんばかりに巨大なボスが出現した。1体目のボスと同様、敵の動きをある程度理解した上で挑んだが、あと少しのところで返り討ちにあってしまった。そこで、ボスの手前に設置されていた“召喚の亀裂”を試してみることに。ここで入手したアイテム“星の破片”を使用することで、“亡霊”を召喚できる。亡霊はボス戦のみ出現するが、ピノキオとともにボスを攻撃してくれるものとなっている。
攻撃をしてくれるというのはもちろんだが、相手からのターゲットが自分から亡霊に移るというのが戦闘の上でかなり有利になる。亡霊の助けもあって、今回のボスも無事に倒すことができた。



ボスを倒した後に、ホテルに戻るとゼペットとの会話が発生し、体験版で行える要素は終了となった。ただ、その後も既存のエリアに行くことはできる。なので、製品版に向けて、まだ触れたことのなかった武器を試してみたり、その他のテクニックを磨くのもいいかもしれない。
今回のプレイの中だけでも、ストーリーに関しては気になる部分が多々生まれたので、製品版をプレイして、それらが明かされるのか、自分の目で確かめてみたい。


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