コロナ5類移行から1カ月 都コロナ分析発表 他の感染症に流行の兆しか

新型コロナウイルスの5類移行から1カ月。東京都は、新型コロナの感染者が4週連続で増えていると発表しました。また医療現場では、他の感染症の増加傾向を懸念する声が上がっています。

東京都は新型コロナについて、6月4日までの1週間における1医療機関当たりの感染者数が、前の週の約1.3倍だったと発表しました。これで4週連続での増加です。また、5日時点での入院患者数は前の週から80人ほど増え、983人でした。

専門家は「現時点では医療提供体制への大きな負荷は見られないが、引き続き状況を注視する必要がある」と指摘しています。こうした中、江東区の病院では新型コロナ以外の感染症の患者が診察に訪れていました。

8歳の男の子は数日間、高熱や咳が続いていたため、複数の感染症の検査を受けたところ、喉の痛みや熱の症状が出る溶連菌感染症にかかっていました。

有明みんなクリニック 石川院長:「冬の代表であるインフルエンザ・RSウイルス・アデノウイルス・溶連菌、色んな感染症が流行っているというのが今年の特徴」

ではなぜ今、さまざまな感染症が増加傾向にあるのか。その理由について石川医師は、新型コロナの5類移行の影響があるのではないかと指摘します。

石川院長:「ここ数年コロナの影響でみなさんがマスク着けてくれたり、手洗いうがいをしっかりしてくれたので、感染症にかかってない人たちがマスク・うがい・手洗いが少し緩んだ時期にかかってきている」

石川医師は、新型コロナが5類に移行して間もない今だからこそ、うがい・手洗いといった感染症対策の徹底や、状況に合わせたマスクの使用をしてほしいと呼びかけています。

医療の現場でも実感している、新型コロナウイルス以外の感染症患者の増加ですが、東京都の感染症情報センターが公開しているグラフで、重症化すると呼吸困難などを引き起こす恐れのある「RSウイルス」感染症の定点当たりの患者数は、最新の数値が上昇していることが分かります。この動きは、「RSウイルス」が大流行した2021年と同じ動きをしていて、今後、さらに感染が広がる懸念があります。さらに、小学生や中学生など子どもを中心に感染する溶連菌やヘルパンギーナなども増加傾向にあることが分かります。

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