ホワイトロード全線開通 世界ジオ絶景満喫

約10カ月ぶりに全線開通した白山白川郷ホワイトロード=9日午前11時25分、白山市内

  ●10カ月ぶり

 白山白川郷ホワイトロードの有料区間24.5キロ(中宮料金所-馬狩料金所)は9日、供用が始まり、昨年8月の大雨被害の影響で不通となって以来、約10カ月ぶりに全線開通した。石川、岐阜両県同時の開通は5年ぶりで、観光客が新緑の峡谷や雪解け水が流れ落ちる滝など、5月に世界ジオパークに認定された白山の絶景を満喫した。地元の観光関係者からは客足回復を期待する声が聞かれた。

  ●石川、岐阜同時は5年ぶり

 石川県林業公社によると8日午後7時ごろから開通を待つ客が現れ、9日午前10時の開通前には10台ほどが列をつくった。開通式では田村敏和白山市長らが祝辞を述べ、安全祈願祭も営まれた。

 先着20台に地元の特産品が贈られた。ドライバーに特産品を手渡した一里野温泉観光協会おかみの会の林恵子会長(62)は、大雨による土石流の影響で不通となった昨年を振り返り、「この日を待ちに待っていた。世界ジオで白山への注目が高まる中、多くの人が一里野を訪れてほしい」と語った。

 この日は雲が厚く、展望台などから白山を見ることはできなかったが、姥(うば)ケ滝やふくべの大滝は水量が多く、観光客は迫力ある眺望に息をのんだ。ここ15年、毎年開通日に訪れているという金沢市森戸1丁目の浦三郎左エ門さん(68)は「四季折々の風景を楽しみたいので、今年は災害がないように願っている」と話した。

 全線通行は11月10日までの予定で、6~8月は午前7時~午後6時、9~11月は午前8時~午後5時に通行できる。9月23日~10月22日は「秋のモーニングタイム」として午前7時から通ることができる。料金は普通車が片道1700円、往復2600円。

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