黒い悪魔犬と行く、フランスの小さな町の夏祭り

こんにちは、フォトグラファーの吉田パンダです。満面の笑みでカメラ目線は、運動不足になると飼い主をガブガブ齧り始める悪魔犬、スキッパーキのスキです。

「そこの人間よ、かまれたくなかったら我を散歩に連れていくがいい」

イタリア旅の続きを、、とも思ったのですが、今回は久々に地元フランスはノルマンディーから、初夏の一日をお届けします。

日本と違って夏と冬しかないフランス、暖炉が恋しくなるような日もあった5月から、いきなり最高気温25度を超す毎日にシフトチェンジです。ちなみに梅雨はありません。

さて、この週末、町の中心では「Foire ? tout」が催されているということで、川沿いを歩いて行ってみることに。「Foire ? tout」というのは直訳すると「オール・フェア」という意味になるんですが、なんでしょう、各地で行われる屋台村的な、夏祭り的なものです。

ご近所のバラ。

朝はランニングしている人も多い、川沿いの一本道を歩きます。

ところどころで、釣りをしている人たちもいます。

犬は苦手ですが、人間には愛想が良い黒犬。

芝生でピクニックをする学生たち。

今度猫も連れて、また自分たちもピクニックへ出かけようと思います。夏の楽しみといえばピクニック。やはりおにぎりに唐揚げですね。

緑のトンネルを抜ければ、中心街はもうすぐそこ。

悪魔な黒犬さん、ビビりなくせに他の犬も気になるようです。こっちを振り向かれたら逃げ出しますが。

いつもはプールに見立てたスペースに噴水が出ている広場。今日は水もなく日陰もなし。

さて、街の入り口にあるダイナー。なぜか、ここだけいつもアメリカンなんです。入ったことはありません。

いつもは駐車スペースになっている場所に、屋台が立ち並びます。行列ができているのはクレープ屋。

こちらは川を挟んで向かいの町、ジヴェルニーで絵画のアトリエを開いているマダム。印象派を代表する画家モネゆかりの町ですから、小さなアトリエが今もいくつかあります。

他にもチーズ屋台があったり、

遠方からなぜかボルドーワインの販売に来ていたり。シャンパーニュ、蜂蜜やサラミ、生ハムとか、「〇〇フェア」の名前は変わっても、出店する店は実はあまり代わり映えがなかったりします。

そんな中、ちょっと我が町では珍しくおしゃれなグラフィックボードを発見。名前がLES DEUX AMANTS(二人の恋人)というのも洒落ています。聞けば、ここから車で20分のところで作っている有機栽培のクラフトビールだそう。公式サイトのデザインも良いし、今度直接ブラッスリー(飲食店)を訪ねてみようと思います。

LES DEUX AMANTS

https://lesdeuxamants.com/

もちろん一杯いただきますよ、マドモアゼル。あ、マドモアゼルという言葉はもう使わないんでした。これは失敬、マダム。

暑い日にはビールでしょう。近年フランスでもクラフトビール流行りで、各地でそれぞれ作られています。調べていませんが、ワインの消費量が減った分ビールが増えているのかも?

「爽やかなIPA(インディア・ペールエール、ビールの一種)、楽しみだな飼い主!」

ほんとだね。

「レモンやハーブを感じるホップの香りだな。どれどれひとくち、、」(飲んでいるのは水です※)

「ごくごく、一気にいきますよ!このキレ!のどごし!一番搾り!」

「やはり有機栽培クラフトビールはちがうな!!」

ですよね!! 今日も違いのわかる黒犬でした。

こちらはお絵描きコーナー。小さな画伯が真剣に筆を立てていました。

屋台が出ているだけで、特に珍しいものも何もない田舎の「夏祭り」なんですが、どうということもない、こんな日曜日がいつまでも続けばいいと思える初夏の一日でした。次回はブルターニュ地方の風光明媚な海辺の町、サン・マロを犬猫と訪ねる予定です。どうぞお楽しみに。

※犬にアルコール飲料を与えないようご注意ください。編集部より

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