落下傘部隊、開拓歴史学ぶ 川南・唐瀬原中生

 川南町の唐瀬原中(日高亘校長、275人)は7日、「空挺(くうてい)落下傘部隊」と町の戦後開拓に関する学習会を開いた=写真。元教諭でつくる語り部グループ・南の風(宮崎市)代表の常盤泰代さん(56)が先人の歩みを紹介し、1年生が真剣な表情で聞き入った。
 常盤さんは、唐瀬原が太平洋戦争中に陸軍の精鋭・落下傘部隊の演習の場となった経緯に触れ「川南は司令部や滑走路、連隊が集まる軍の町だった」と解説。戦後は元隊員を含む人々が「知恵と人力で困難を解決しながら広い土地を開拓した」とし、「先人の歴史と努力があって農業の町に住んでいることを忘れてはいけない」と述べた。同校卒業生の平塚金治さん(86)=町教委地域学校協働活動推進員=も戦中、戦後の一帯の様子を紹介した。
 同校1年の甲斐蓮聖さん(12)は「『軍の町』から『開拓の町』へと昔の人が開拓して今の平和な川南がある。この町を残していくため昔の人のような知恵が必要。多くの人が亡くなったという事実も忘れず勉強したい」と話した。

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