児童9人が倒れていた80代女性救う 保護者に連絡、声かけ励ます 佐野・足利

高齢女性を救助し、佐野署から感謝状を贈られた富田小の児童ら

 【佐野・足利】佐野市内で行方不明になっていた高齢女性を足利市内で発見し、適切な対応をしたとして、佐野署は6日、足利市富田小の1~6年の児童9人に感謝状を贈呈した。登校途中に女性を発見した児童たちは、それぞれが保護者に連絡したり、女性に声をかけて励ましたりするなどした。子どもたちの迅速な判断と連携により、命の危機にさらされていた女性を救った。

 感謝状が贈呈されたのは、6年四十八願麻緒(よいならまお)さん(11)、同須藤真輝(すとうまさき)君(11)、同小倉心陽(おぐらこはる)さん(12)、5年小倉凛心(おぐらりこ)さん(10)、4年四十八願鈴緒(よいなられお)君(10)、同嶋田陽介(しまだようすけ)君(10)、3年小倉鈴(おぐらすず)さん(8)、1年須藤心玖(すとうみく)さん(6)、同小倉貴翔(おぐらたかと)君(7)。

 9人は5月18日午前7時半ごろ、登校途中に足利市稲岡町の道路脇の側溝で倒れている80代女性を発見。児童は手分けして自宅や付近にいた保護者に知らせ、助けを求めた。現場に残った児童は、女性に「大丈夫ですか」などと声をかけ続けたという。

 女性は佐野市内在住で、前日夕方から行方が分からなくなっており、佐野署が捜索していた。発見後救助された女性は、病院に搬送されたものの軽傷で、命に別条はなかったという。

 この日は全校児童の前で、同署の三森義功(みもりよしのり)署長が9人に感謝状を贈呈。三森署長は「最初は驚いたと思うが、その後迅速に通報して対応してくれたおかげで女性が助かった」と感謝を述べた上で「何か変わったこと、困ったことがあったらすぐに近くの大人や警察官に知らせてほしい」と児童たちに呼びかけた。

 女性を発見した後、自宅に戻り、母親を通じて110番した四十八願麻緒さんは「女性が無事で良かった。今回人を助けたように、これからも誰かを助けることができたら」と笑った。同校の永松正子(ながまつまさこ)校長は「できることを判断し、行動に移したことが素晴らしい」とたたえた。

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