バス利用促進へ乗車券 8月から配布、土日祝限定で

市中心部を走るバス=香林坊交差点

  ●事業者支援、渋滞緩和へ 金沢市議会6月補正予算案

 公共交通の利用促進に向け、金沢市は、8月5日から土日祝日限定で、まちなかの商業施設や商店街で買い物した客にバス、電車で使える「お帰り乗車券」を配布する。物価高騰の打撃を受ける交通事業者などを支援する狙いで、渋滞緩和や商店街の活性化にもつなげる。

 市が9日、市議会に内示した6月補正予算案に事業費1400万円を計上した。

 市は昨年度、コロナ禍による公共交通の利用減に伴い、乗客が少ない平日昼間の利用を促進するため、4~9月の平日、中心市街地の百貨店や商店街で最大300円の乗車券を配布した。コロナが収束し、人出が回復しているのは土日に集中していることから、今年度は休日の配布に切り替え、渋滞の緩和を目指す。

 乗車券は一定額以上の商品を購入するか、飲食した客に配られる仕組み。期間も昨年度から延長して8月5日から来年3月24日までを予定し、年末年始も含める。券を利用できる公共交通や、買い物の対象施設、配布数などは今後の協議で決める。

 公共交通は観光客の増加などで利用者は回復傾向にあるが、燃料費など物価高騰の影響で経営環境は悪化しており、市は路線維持のため、対策を強化することにした。市交通政策課の担当者は「市民に少しでもまちなかへバス、電車で来たいと思ってもらえるよう働きかけたい」と話した。

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