サクランボ相場回復 前進・潤沢でも販売活発

出荷最盛期を目前に、低迷していたサクランボの相場が回復した。主力の山形県産の生育前進で、先月末から入荷が急増。潤沢で平年(過去5年平均)比2割安まで下げていたが、小売りの販売が活発化して相場が上向いた。

9日のサクランボの日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年比6%高の1キロ2279円。6月上旬の日別取引量は、平年の1・5倍を超えるペースだった。増量に合わせ売り場づくりを早めるスーパーがあり価格が上昇した。

主産地の山形県のJAでは、同じく前進傾向だった前年よりも3、4日早く出荷が本格化した。主力となる露地物の「佐藤錦」について「平年比で1週間前後早い、11~20日ごろがピーク」(同JA)と見込む。

天候不順で前年産まで2年連続で少なかったが、今年産は総量が十分に見込まれる。ピーク入りで販売は一層活発となり、今後は「潤沢な入荷の中でも、平年並みの価格で推移する」(東京の青果卸)見通しだ。

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