ドイツ2部で活躍の奥川雅也。冬のカタールW杯、そして三笘薫をどう見ていたのか

今シーズンはドイツ・ブンデスリーガ2部のアルミニア・ビーレフェルトでプレーした日本代表MF奥川雅也。

2015年にレッドブル・ザルツブルクと契約してヨーロッパへと渡り、その後ドイツへ進出。2021年からアルミニア・ビーレフェルトで戦い、今季で3年目となった。

前半戦からチームの主力として確固たる存在となり、左ウイングやインサイドハーフ、ボランチなど様々なポジションで起用され、5ゴール10アシストという好成績を残した。

しかしながら、その一方でチームは下位に低迷し残留プレーオフへと回ることに。奥川雅也自身も5月に鎖骨を骨折したことによってシーズン絶望となり、複雑なシーズンとなった。

そんな奥川雅也が、6月4日に出身地の滋賀県甲賀市で「奥川雅也サッカー交流会」を開催。総勢100名のサッカー少年少女を招待し、ともにボールを蹴った。

そして交流会を終えたばかりの奥川雅也に直撃し、今季のことやワールドカップのことなどを聞いてみた。

――今シーズンは5ゴール10アシストと活躍しましたが、最後は怪我で離脱をしてしまいました。1年振り返ってみていかがでしょうか。

難しいシーズンに陥ったと思っています。ただ、その中で自分自身は色々な面でとても成長できました。こういう環境に置かれないとできない経験もたくさんありますし、それがこれからのサッカー人生において大切な時間になると思います。

チームとしては不甲斐ない結果でしたけど、僕自身はすごく成長した1年になったのかなと思います。

――残念ながらメンバー入りができなかった昨年のカタールワールドカップ、どうご覧に なっていましたか?

ドイツで放送された試合は見ていましたし、ベスト16のクロアチア戦は日本に帰る飛行機で見ていました。今回のワールドカップは、日本代表だけではなくいろんな世界のチームにも友達や一緒にやっていた選手が出ていたんです。チームメイトが戦っているのを見て、かなり刺激をもらいました。

三笘薫は「盗めるものがある」

――ポジションが重なる三苫薫選手のことはどのようにご覧になっていますか。

今日本でトップレベルの選手だと思いますし、プレミアリーグで日本人が1年目からあれだけ爆発的に活躍するというのはすごい。見ていて面白い選手だなと思います。僕とはちょっと違うタイプですけど、見て盗めるものもあると思いますね。「すごい」の一言です。

――今季のビーレフェルトではインサイドハーフでも頻繁に起用されていましたよね。

攻撃面ではどこでもできるという自負がありますし、監督からもゲームの組み立てやそこからの推進力を認めてもらっています。

3トップで出た時はよりゴールに近いプレーが求められますし、インサイドハーフだったりボランチで出る時は開いているスペース見つけてゲームを作ったり…というのが、ドイツに行ってからの僕の新しい持ち味です。サッカーの幅は広がっているので、そういう意味では複数のポジションで使われることは多かったと思います。

2年前からブンデスリーガ1部で試合に出ましたが、足りない部分は自分の中で強く感じていました。2部でも強度はあまり変わらないですし、その前の年で足りなかった部分を成長させたいなと。そこが今年1年うまくいったので、来年を楽しみにしてほしいです。

――言える範囲で構いませんので、来季の去就についてどのように考えているか教えてください。

チーム自体がまだ厳しい状況にあるので、僕自身そこに最後まで絡めなかった悔しさもあります。来年以降どうなるかわからないですけど、やっぱり「大きいところでやりたい」と いう気持ちはずっとあるので、そういう意味でもステップアップできるのであればしたいと思っています。

この日、アルミニア・ビーレフェルトは残留プレーオフの1stレグを戦い0-4と大敗。さらに7日の2ndレグでも1-2と敗れ、3部リーグへの降格が決定してしまった。

「ステップアップできるのであればしたい」という奥川雅也には、1.FCケルンが関心を抱いている…という報道も。個人としては1部でも通用することは証明していることを考えれば、多くのオファーが舞い込んできてもおかしくない状況だ。

【関連記事】ヴィッセル神戸DF山川哲史、三笘薫を知り尽くした男が惜しみなく語る「三笘の凄さ」!

果たして来季奥川雅也はどこで活躍することになるのだろうか。様々なポジションをこなす応用力を身に着けた彼の大ブレイク、そして日本代表への復帰に期待したい。

© 株式会社ファッションニュース通信社