岩手で「チャグチャグ馬コ」 伝統の鈴の音、田園に街に

子どもを背に行進する「チャグチャグ馬コ」の行列=10日午前、岩手県滝沢市

 色とりどりの装束で着飾った約60頭の大型馬が鈴を鳴らして田園や市街地を練り歩く、岩手の初夏の伝統行事「チャグチャグ馬コ」が10日、盛岡市などで開催された。

 鈴が「チャグ、チャグ」と聞こえるのが名前の由来。農耕馬の無病息災を祈るため神社に連れて行く風習が起源とされ、国の無形民俗文化財になっている。行事に出る馬はかつての農耕馬と同じ品種で、このために育成しているという。

 馬は着物姿の子どもらを背に滝沢市の鬼越蒼前神社を出発し、盛岡市の盛岡八幡宮まで約14キロの道のりをゆっくり行進。盛岡市の小学5年熊谷心晴さん(10)は「高い所から見える景色がきれいで楽しい」と笑顔で話した。

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