しょうぶ湯 心安らぐ季節の風情 湯郷温泉街 入浴客ら香り楽しむ

露天風呂にショウブを浮かべる巫女姿の女性=湯郷鷺温泉館

 美作市の湯郷温泉街で10日、旧暦の端午の節句(22日)にちなみ、恒例の「しょうぶ湯」が提供された。入浴客はショウブの葉の鮮やかな緑と爽やかな香りを楽しみ、疲れを癒やした。

 端午の節句にしょうぶ湯に漬かると邪気が払われるという言い伝えから、湯郷温泉観光協会が毎年実施している。今年は旅館やホテル、足湯など17施設で計1200本を湯船に浮かべた。

 元湯・湯郷鷺(さぎ)温泉館では敷地内の塩湯社で神事が行われた後、巫女(みこ)姿の女性2人が露天風呂に長さ約1.5メートルのショウブを入れた。

 毎月2、3回訪れるという兵庫県赤穂市の男性会社員(54)は「しょうぶ湯は初めて。季節の風情を感じて心も安らぐ」と話した。

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