抑留生活を表現のかるたや極寒の労働描く油絵並ぶ 京都・舞鶴で「シベリア抑留画展」

シベリア抑留画展で展示されているかるた。当時の生活の一コマが表現されている(舞鶴市平・舞鶴引揚記念館)

 旧ソ連によるシベリア抑留の体験者が描いた回想記録画の展覧会「シベリア抑留画展」が、京都府舞鶴市平の舞鶴引揚記念館で開かれている。抑留生活の一こまを切り取ったかるたや、極寒での過酷な労働で死者が続出した状況を表す油絵などで多面的に抑留を学ぶことができる。

 かるたは、ひらがな1文字ごとに絵札が並ぶ。「わ」では逃亡者が銃殺される図に「若い命が消えていく」と読み方が添えられるなど、死と隣り合わせの日々を表現。収容所でのマージャン大会や尻をつねるだけの健康診断など、さまざまな場面を知ることができる。

 会場では、降雪の中で死者を弔う場面の重厚な油絵や、ハーモニカとともに舞台で歌を発表する文化活動をテーマにした作品が目を引く。綾部市出身の抑留体験者が描いた収容所の風景画もある。

 同館が所蔵する約1300点の記録画の中から18点を展示しており、長嶺睦学芸員は「抑留はつらい悲しいことに間違いないが、人によっていろいろな捉え方がある。絵を通じて描いた人がどう感じていたのかを想像してほしい」としている。

 7月9日まで。入館料が必要。

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