「WBC兵庫代表」選んでみましたドリームチーム 実力、個性、顔ぶれ…多士済々 幅広い世代、出身地は郷土を網羅

先発ローテーションの一角を守る阪神・才木浩人=甲子園

 3月に行われた野球の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝を果たした日本代表「侍ジャパン」。兵庫県出身者では山田哲人(ヤクルト)と大勢(本名・翁田大勢=巨人)がVメンバーに名を連ねた。2021年東京五輪では山田のほか、田中将大(楽天)と坂本勇人(巨人)も金メダル獲得に貢献している。日本野球機構(NPB)で支配下登録されている兵庫県出身者は計48人(6月9日現在)。「兵庫代表」としてWBCに出場するなら、どんなメンバーになるのだろう? 神戸新聞で野球取材経験のある5人が独自にWBCと同じ30人の「ドリームチーム」を選んでみた。(大原篤也)

 

■神戸新聞が選んだ「WBC兵庫代表」

 【投 手】15人 ・宮西 尚生( 日本ハム )尼崎・立花中-市尼崎高-関学大 ・増田 達至( 西  武 )洲本・由良中-柳高-福井工大-NTT西日本 ・田中 将大( 楽  天 )伊丹・松崎中-北海道・駒大苫小牧高 ・松葉 貴大( 中  日 )姫路・香寺中-東洋大姫路高-大体大 ・福  敬登( 中  日 )神戸・多聞東中-神戸西高-JR九州 ・原  樹理( ヤクルト )加古川・中部中-東洋大姫路高-東洋大 ・床田 寛樹( 広  島 )尼崎・園田中-大阪・箕面学園高-中部学院大 ・甲斐野 央(ソフトバンク)西脇・黒田庄中-東洋大姫路高-東洋大 ・松本  航( 西  武 )朝来・梁瀬中-明石商高-日体大 ・村上 頌樹( 阪  神 )南あわじ・南淡中-奈良・智弁学園高-東洋大 ・山崎 伊織( 巨  人 )明石・大蔵中-明石商高-東海大 ・才木 浩人( 阪  神 )神戸・王塚台中-須磨翔風高 ・ 大 勢 ( 巨  人 )多可・八千代中-西脇工高-関西国際大 ※翁田 大勢 ・山本 拓実( 中  日 )宝塚・宝塚第一中-市西宮高 ・中森 俊介(  ロッテ  )丹波篠山・篠山東中-明石商高

 【捕 手】3人 ・坂本誠志郎( 阪  神 )養父・養父中-大阪・履正社高-明大 ・岸田 行倫( 巨  人 )川西・川西南中-報徳高-大阪ガス ・安田 悠馬( 楽  天 )神戸・横尾中-須磨翔風高-愛知大

 【内野手】8人 ・中島 宏之( 巨  人 )伊丹・天王寺川中-伊丹北高 ・坂本 勇人( 巨  人 )伊丹・松崎中-青森・光星学院高 ・中村 奨吾(  ロッテ  )三木・吉川中-奈良・天理高-早大 ・山田 哲人( ヤクルト )宝塚・御殿山中-大阪・履正社高 ・小深田大翔( 楽  天 )佐用・佐用中-神戸国際大付高-近大-大阪ガス ・佐藤 輝明( 阪  神 )西宮・甲陵中-仁川高-近大 ・高松  渡( 中  日 )加古川・浜の宮中-滝川第二高 ・小園 海斗( 広  島 )宝塚・光ガ丘中-報徳高

 【外野手】4人 ・栗山  巧( 西  武 )神戸・太山寺中-育英高 ・近本 光司( 阪  神 )淡路・東浦中-社高-関学大-大阪ガス ・辰己 涼介( 楽  天 )神戸・有野中-社高-立命大 ・来田 涼斗( オリックス )神戸・長坂中-明石商高

 

■ローテ投手がずらり

 投手陣は15人で構成。今季、阪神の大躍進を支える村上頌樹、才木浩人の同学年右腕コンビをはじめ、田中や松本航(西武)、床田寛樹(広島)といった各球団の先発ローテーションの柱が並んだ。セットアッパーや抑え候補も左腕の宮西尚生(日本ハム)、福敬登(中日)、右腕の大勢、増田達至(西武)とバランスがいい。

 捕手は3人制。ダルビッシュ有(パドレス)から捕球技術を絶賛され、今季は攻守に気を吐く坂本誠志郎(阪神)を正捕手候補に、打力への期待が大きい安田悠馬(楽天)、岸田行倫(巨人)が入った。

 WBCでは投手の球数制限がある上、大谷翔平(エンゼルス)や佐々木朗希(ロッテ)のような剛腕タイプがいないため、継投の妙が勝利の鍵を握りそうだ。

 

■俊足巧打が並ぶ野手

 内野手は山田や坂本勇、第2回WBCで金メダルに輝いた中島宏之(巨人)と日本代表経験者が多く、佐藤輝明(阪神)や中村奨吾(ロッテ)らチームの主軸もずらり。小深田大翔(楽天)ら内外野を守れる選手がいるのも心強い。外野手は坂本勇とともに既に2千安打を達成している栗山巧(西武)、昨季までそろって2年連続ゴールデングラブ賞を手にしている社高OBの近本光司(阪神)、辰己涼介(楽天)を選んだ。

 内野手は右、外野手は左の巧打者がそろい、ジグザグ打線も組める。快足自慢も多く、機動力を絡めた多彩な攻撃が武器になる。

 

■「兵庫五国連邦代表」に

 40歳の中島、39歳の栗山ら百戦錬磨のベテランから、ともに明石商高から入団3年目の中森俊介(ロッテ)、来田涼斗(オリックス)ら期待のホープまで、幅広い世代から選出。但馬、丹波、摂津(神戸・阪神)、播磨、淡路の旧五国出身者を網羅しており、兵庫県が持つ多様性を表現した「兵庫五国連邦(ヒョーゴスラビア連邦)」「U5H(ユナイテッド・5コク・オブ・ヒョウゴ)」の代表を名乗るにふさわしい顔ぶれとなった。

 メジャー経験のある田中が先発陣を束ね、プロ初登板からの連続試合救援のNPB記録を持つ宮西がブルペンをまとめる。野手では所属球団で選手会長やキャプテンの経験がある坂本誠や近本、山田、中村といったリーダーが豊富だ。侍ジャパンをはじめ、米国やキューバ、ドミニカ共和国などの強豪とも十分に戦えるのではないか-そんな夢が膨らむ。(敬称略) 【選考方法】プロや社会人、高校などの野球取材経験のある5人(報道部・大原篤也、阪神総局・山本哲志、経済部・大盛周平、運動部・有島弘記、紙面編集部・尾藤央一)がWBCと同様、それぞれ兵庫県出身のNPB選手30人をピックアップ。投手、捕手、内野手、外野手の各枠で推薦が多い順に代表を選んだ。満票(5票)は投手=才木、大勢、山本、中森▽内野手=小深田、小園▽外野手=近本、辰己-の計8人。投手、野手のバランスなども考慮したが、結果的に3票以上を獲得した投手、野手各15人が選ばれた。

■選外

【投手】田村伊知郎(西武)神戸・山田中-報徳高-立大▽村西良太(オリックス)淡路・津名中-津名高-近大▽吉田凌(オリックス)西脇・西脇東中-神奈川・東海大相模高▽平内龍太(巨人)明石・魚住東中-神戸国際大付高-亜大▽徳山壮磨(DeNA)姫路・高丘中-大阪桐蔭高-早大▽西垣雅矢(楽天)朝来・梁瀬中-報徳高-早大▽東晃平(オリックス)小野・小野中-神戸弘陵高▽橋本達弥(DeNA)神戸・桜が丘中-長田高-慶大▽河野佳(広島)加古川市出身/広島・広陵高-大阪ガス▽嘉手苅浩太(ヤクルト)姫路・広畑中-石川・日本航空石川高【捕手】石原貴規(広島)宝塚・宝塚第一中-岡山・創志学園高-天理大【内野手】石岡諒太(オリックス)神戸・広陵中-神戸国際大付高-JR東日本▽野村勇(ソフトバンク)神戸・舞子中-香川・藤井学園寒川高-拓大-NTT西日本▽野村大樹(ソフトバンク)宝塚市出身/京都・同志社中-東京・早実高▽小深田大地(DeNA)姫路・飾磨中部中-大阪・履正社高【外野手】野間峻祥(広島)三木・自由が丘中-村野工高-中部学院大▽岸潤一郎(西武)尼崎・中央中-高知・明徳義塾高-四国IL徳島▽佐藤直樹(ソフトバンク)神戸市出身/報徳中-報徳高-JR西日本

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