有機農業推進へ専門校 綾オーガニックスクール開校

入学許可証を受け取る、綾オーガニックスクール1期生の古川義久さん

 有機農業を体系的に学ぶことで栽培技術の継承などにつなげる「綾オーガニックスクール」が綾町に開校し、1期生1人を迎えた開校・入校式が10日、町有機農業開発センターであった。入校生は2年間、町の有機農家らから技術や農業経営などを学び、町内での就農を目指す。
 同町は1980年代から全国に先駆けて有機農業を推進しているが、近年は高まる需要に生産が追い付かない一方で、学びの場や販路がなく離農する新規就農者がいるなど課題も出ている。
 状況を打破しようと、町やJA綾町などで組織する綾町自然生態系農業推進会議が、開校に向け昨年春から準備。運営は町内の有機農家らで設立した「合同会社アヤオーガニックワークス」が担い、今年1月から入校生を募集していた。
 同校では週6日、座学やほ場での栽培研修などを実施。就農に向けては、農地や販路の確保も支援する。
 式典では校長の松本俊二町長が「先人が紡いできた町の理念と取り組みを、未来につないでいく」とあいさつ。1期生の元介護士、古川義久さん(42)=宮崎市=が「有機農業を盛り上げるため、日々精進していきたい」と抱負を述べた。
 同町で有機農業に長年取り組むアヤオーガニックワークス代表社員、松井道生さん(62)は「町との両輪で、スクールから綾の農業を世界に発信していきたい」と話していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社