本紙企画「吉備を環る」を追体験 真庭・蒜山の戦争遺構など訪問

蒜山原陸軍演習場跡の地下壕内を見学する参加者

 山陽新聞社の連載企画「吉備を環(めぐ)る~地域をみつめ 未来をひらく」を追体験する初めての日帰りバスツアーが10日、真庭市内で行われた。参加者は蒜山高原に広がる旧日本軍の蒜山原陸軍演習場跡などを訪れ、雄大な自然とともに地域の歴史にも思いをはせた。

 JR岡山、倉敷駅を出発した一行14人は午前10時前、蒜山郷土博物館(同市蒜山上長田)に到着。前原茂雄館長から、1935年から終戦まで約10年間あった演習場の概要や当時の地域について説明を受けた。地元ガイドの案内で演習場跡に移動し、地下壕(ごう)や兵舎、門柱など今も残る遺構を回った。

 参加者(75)=岡山市北区=は「蒜山には何度も遊びに来たが、戦争遺跡を訪ねたのは初めて。次の世代に伝えなければと感じた」と話していた。

 著名な建築家隈研吾氏が手がけた観光施設・グリーナブルヒルゼン(真庭市蒜山上福田)や「版画寺」として知られる毎来寺(同市目木)、昼食のジンギスカンなど真庭の多彩な魅力にも触れた。

 「吉備を環る」は2021年9月から約1年間掲載。同ツアーは22日、7月6、22日、8月3、26日もある。1人1万6800円。申し込みは山陽新聞旅行社(086―803―8220)。

蒜山原陸軍演習場跡の門柱(右)を見学する参加者
前原館長(左)から演習場について学ぶ参加者

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