「珠洲焼応援団」始動 窯を再建、まず解体

解体した窯のれんがをきれいにする団員=珠洲市正院町平床

  ●団長・常盤さんTシャツ贈る

 珠洲市の地震で被災した珠洲焼作家を支援するため県内外の有志が結成した「珠洲焼応援団2023」が10日、同市で活動を開始した。初日は団員が壊れた窯の再建に向け解体に取り組んだ。団員は、応援団長を買って出ている俳優の常盤貴子さんから贈られたそろいのTシャツで作業に励み、珠洲焼復興へ力を合わせた。

 珠洲焼作家でつくる「創炎会」代表の篠原敬(たかし)さん(63)が正院町平床に構える工房は、れんが製の窯の前面部が地震で倒れ、アーチ部分も崩壊した。この日、団員20人は、かなづちとたがねを使ってれんがの表面に付いた耐火モルタルをはがし、再利用可能なれんがを仕分けていった。

 常盤さんが贈ったTシャツは、動物の絵を描いたオリジナルのデザイン。窯の修理は人海戦術となるだけに、活動の士気と結束力を高めようと、贈られた。

 団員による昼食の炊き出しが行われ、休憩時には篠原さんの指導で、珠洲焼のぐい飲みや人形の制作も体験した。金沢市の会社員の西村修さん(52)は「少しでも協力することができて良かった」と話した。

 解体は14日まで続き、5日間で計約70人が参加する。8月からは窯のれんがの積み上げを行い、9月の再建を目指す。篠原さんは「地震で廃業の文字も頭に浮かんだが、多くの人の支援が励みになった。感謝している」と話した。

  ●被災者に食器、11日無料配布 正院小で「青空市」

 被災者に陶磁器食器を無料配布する「青空市」が11日午前11時から、珠洲市の正院小で開かれる。三谷産業(金沢市)とニッコー(白山市)が茶わんや皿など約1500点を提供する。

常盤さんから贈られたTシャツを着る団員=珠洲市若山町出田

© 株式会社北國新聞社