TM NETWORK 40周年の幕開け!ニューアルバム「DEVOTION」秋には全国ツアーも!  TM NETWORK40周年へ!

TM NETWORK40周年へ

2024年4月21日、TM NETWORK(以下、TM)は40周年という大きな節目を迎える。もうそんなに経つんだなぁ… と、月日の流れを感じずにはいられない。

私がTMに出会ったのは1986年「Come on Let's Dance」。色鮮やかでダンサブルな楽曲はそれまで聴いたことがなくて、少女だった私はすぐに夢中になった。

そこからのTMは「Self Control(方舟に曳かれて)」、「Get Wild」と、彼らはどんどん駆け上っていった。

それでも、当時はなんとなく “TMのファン” と大きな声で言い出しにくい空気がどこかに… そう確かにあった。当時はBOØWYやレベッカのような生音のバンドが人気だったし、音楽はギターがメインとなるバンドサウンドかソロアーティストというのが “ホンモノの音楽” とされていた風潮が確かにあった。

そうした中、デジタルサウンドを操るTM NETWORKのファン(通称・FANKS)はどこか肩身が狭かった。そんな気持ちを抱えていたのは、きっと私だけじゃないはずだ。

それが今はどうだろう。「Get Wild」は、今なお引っ張りだこで、多くの人に愛され続け、世代を超えた名曲として輝きを放っている。

今こそ当時の空気に対して、大きな声で叫びたい。こうしてデビュー40周年を迎えようとしている今もTMの名曲たちは色褪せることなく、多くの人の心に息づいているということを。しかも楽曲たちは、とどまることを知らず、常に時代と共に進化を続けている。これこそ私たちが愛して止まない “TM NETWORKの凄さ” なのだと。

そして、タイムマシンに乗って、当時の自分にも、“愛した音楽は間違いじゃなかったよ” と伝えに行きたい。

今回、初めてこのニューアルバム『DEVOTION』を聴いたとき、改めてTMを誇りに思うとともに、まるで心のマグマが溶け出すような高揚感を抑えきれなかった。

2曲の新曲+名曲たちのリアレンジ、ニューアルバム「DEVOTION」

6月14日発売のニューアルバム『DEVOTION』。収録されているのは、タイトル曲「DEVOTION」、木根尚登作曲「君の空を見ている」の新曲2曲を含む全11曲。ボーカルを新録した名曲「RESISTANCE」、「WE LOVE THE EARTH」、「KISS YOU」、「TIME TO COUNTDOWN」が並んでいる。

“ウツ” こと宇都宮隆の甘さとクールさが共存するしなやかな歌声が、難解なリズムを的確に刻んでいく。小室サウンドをこんなにも軽々と歌い上げるウツの歌唱力の凄さを改めて感じた。

収録曲を見て「過去曲のリミックスじゃん」なんて思うことなかれ。どの曲のアレンジもまるで新曲のごとく生まれ変わっている。とにかくクールでモダン。現代版… というとあまりにも平凡な表現だが、それぞれの曲が現代に甦るとしたらこんな風に曲になるのか! と、これまた天才・小室哲哉のアレンジに唸る。そう、ただただ無条件にカッコイイのだ。

FANKSたちの宝物。あの名曲が初収録

そして、触れないわけにはいかない1曲がこのアルバムには在る。

今回のアルバムを締めくくる「TIMEMACHINE」だ。

ライブで披露されることはあっても、これまで一度もレコードやCDに収録されたことはなかった。40年の時を経て、遂にスタジオ録音が実現したことになる。木根尚登作曲のバラード、通称キネバラと小室の歌詞が、ぬくもりと愛を伝えてくれる名曲中の名曲だ。

今、この曲が収録されることは何を意味するのだろう… と、ふと思った。

1994年にTMNがプロジェクト終了を宣言した。ラストライブ(通称・ラスグル)の締めくくりに演奏されたのがこの曲で、FANKSにとって宝物のような1曲なのだ。しかも、最後のライブで、3人だけで演奏されたことも手伝って、未だにこの曲を聴くと涙を流すFANKSがたくさんいる。

今回、ラストライブで披露された時と同じように、アルバムのトリを飾っていることを考えると、このアルバムがラスグルとリンクして、あのときの物語の続きを見ているような気持ちになってくる。なんだかとても不思議な気分だ。

けれど、あのときと明らかに違うのは、「終わり」ではなく、これがTM NETWORKの新たな「始まり」ということだ。

今秋からは全国ツアーもスタートする。「TIMEMACHINE」で一度は別れを告げたTMが、「TIMEMACHINE」が収録されたアルバムを引っ提げて全国へと旅立つ。なんだか胸がぎゅっと熱くなる。

タイトル『DEVOTION』の意味は、深い愛情、忠誠、献身だ。ラスグル最後のメッセージに小室はこう残している。“またどこかで、3人が密かに悪巧みしてたら、見つけて” と。見つけるどころか、ずっとずっと私達FANKSは深い愛情と、忠誠を持って、TMとともに歩んできた。

“DEVOTION” とは、まるでそんなFANKSを表しているような言葉でもある。さぁ、昔のようにみんなでTMとともに旅に出よう。今までのように、そしてこれからも。

カタリベ: 村上あやの

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