城下に朝夕告げる 土浦城址「刻の太鼓」 茨城

城下に時を告げる「刻の太鼓」=土浦市中央の土浦城址櫓門

「時の記念日」の10日、江戸時代の土浦城下に時を告げた「刻(とき)の太鼓」が茨城県土浦市中央1丁目の土浦城址(じょうし)櫓(やぐら)門で、リズミカルに打ち鳴らされた。

刻の太鼓は、土浦藩が明け六つ(午前6時ごろ)、暮れ六つ(午後6時ごろ)に鳴らし、藩士や領民に時刻を知らせた。市制施行60周年の2000年に同市真鍋の八坂神社などが復活させ、「刻の太鼓保存会」が継承。同会は今年も12日までの3日間、朝夕2回披露する。太鼓は1770年制作の市指定文化財。

10日の早朝、県指定文化財の櫓門(太鼓櫓)に集まった同会員らは、「太鼓櫓で打ち出す刻は 土浦城下に鳴り亘(わた)る」のかけ声に合わせ、2人一組で太鼓をたたいた。子どもたちも挑戦した。同会の須田義之会長(66)は「文化、伝統は長く続けることが大事。今年もできてほっとしている」と話した。

© 株式会社茨城新聞社