4泊5日瀬戸内4県横断プラン、海の見える宿に泊まる旅(兵庫県、岡山県、広島県、山口県)

今回の旅プランのポイントはなんと言っても、宿。兵庫県神戸市から山口県下関市まで新幹線に乗って西へ西へと移動しながら、毎日海の見える宿に泊ってしまおうという、贅沢な瀬戸内満喫プランです。

【スポット 1】1日目・動物と都会の温泉に癒やされる

◉兵庫県神戸市・神戸どうぶつ王国 → 神戸みなと温泉 蓮

旅の始まりは神戸。北野異人館街を巡るもよし、旧居留地のハイカラな街を歩きながらショッピングを楽しむもよし、ジャズ喫茶で気持ちの良い音に身を任せるもよし。パン屋さん巡りもいいですね。今回は癒やしの旅ですから、かわいい動物たちとの触れ合いから1日を始めるのもおすすめです。

◉兵庫県丨神戸どうぶつ王国

カピバラがお湯に浸かっているのを見るだけで、どうしてこんなに幸せな気分になるのでしょうか。不思議な生き物ですね。

『動かない鳥』として知られる人気者のハシビロコウに出会ったら、『アルパカフェ』で、秀逸なデザインの『ハシビロコーヒー』を飲むのがお約束です。ハシビロコウが獲物をじっと狙う視線を感じながら、美味しいコーヒーをすする体験はなかなかできません。

神戸どうぶつ王国は全天候型動植物園で、雨の日も風の日もたくさんの植物、鳥、動物を間近で観察することができます。2022年には『コツメカワウソ生態園』、2023年には『リスの森』と新しい展示エリアも続々と登場しています。

神戸どうぶつ王国
住所/神戸市中央区港島南町7-1-9
電話/078-302-8899
営業時間/平日10:00~16:00 (入園締切15:30)、土日祝10:00~17:00 (入園締切16:30)
休園日/毎週木曜日(祝日・春休み等は営業)詳しくはこちら
最寄駅/ポートライナー『京コンピューター前(神戸どうぶつ王国)』駅
https://www.kobe-oukoku.com

1泊目の宿:神戸みなと温泉 蓮

神戸で宿泊先に選んだのは、街の中心部、三宮(さんのみや)からシャトルバスで約5分の海辺に建つ温泉宿『神戸みなと温泉 蓮』です。三方270度を海に囲まれたロケーションと、地下1,150メートルから湧き出る天然温泉での「都市湯治」が目玉の落ち着いたお宿です。

赤い暖簾は日帰り温泉施設の目印ですから、宿泊客は紫色の暖簾を目指しましょう。まるでクルーズ船のような外観に胸が高鳴ります。

自慢の温泉は、塩化ナトリウム(食塩)と炭酸水素ナトリウム(重曹)の両方を多く含み、高い保温性と美肌効果が期待できます。

写真は、宿泊者のみが利用できる10階の展望大浴場です。海を見ながら露天風呂とジャグジーに浸かると、ここが都会であることを忘れてしまいそう。洗い場はひとつひとつ壁で仕切られたブースになっていて、プライバシーが守られているのも嬉しいポイントです。

神戸みなと温泉 蓮は『みんなで選ぶ温泉大賞』で『西の横綱』を獲得するなど、華々しい受賞歴を誇ります。宿泊客を満足させるもうひとつの魅力が、神戸の夜景を眺めながら『御食事処ライブ割烹 万蓮』でいただくブッフェスタイルの食事です。兵庫五国のこだわりの食材をふんだんに使い、約60種類ものメニューが提供されます。

ライブ割烹とは、料理人が目の前で天ぷらを揚げたり、寿司を握ったり、ローストビーフを切り分けたりして、できたての料理を提供すること。あれもこれもと目移りしてしまいます。お腹をすかせて、上質な料理を心ゆくまで堪能したいですね。

※メニューは月替わりです。季節や仕入れ状況により内容を変更することがあります。

また、客室はすべてオーシャンビューです。全室にテラスが備わっていて、客室とテラスを合わせると60平米以上。広々とした空間で別荘のようにくつろぐことができます。西側に面した客室からは定番の神戸の夜景、東側に面した客室からは神戸大橋と船の往来がよく見え、みなと町らしい美しい風景に心がほぐれて行くのを感じます。

神戸みなと温泉 蓮
住所/兵庫県神戸市中央区新港町1-1
電話/078-381-7000
駐車場/あり
最寄駅/JR三ノ宮駅、阪急電鉄神戸三宮駅、阪神電車神戸三宮駅
https://ren-onsen.jp

【スポット 2】2日目・城と橋と多島美と

◉岡山県岡山市・岡山城 → 倉敷市・せとうち児島ホテル

◉岡山県|岡山城

新幹線で岡山へ移動したら、『令和の大改修』を終えて2022年11月にリニューアルオープンした岡山城へ向かいます。『烏城(うじょう)』とも呼ばれる岡山城は黒塗りの下見板で覆われ、その真っ黒な姿が青空に映えてかっこいいですね。

豊臣秀吉の家臣・宇喜多秀家が築城し、1597年に完成した天守は戦災で失われましたが、1966年に再建されました。

今回の大改修では、館内の展示が分かりやすく一新され、岡山城の歴史を楽しく知ることができます。最上階の6階では往時の天守最上階が再現され、そこから降りていくに従って時代が進む展示構成になっています。

歴史上の人物に関する噂や豆知識などのエピソードが盛りだくさんで、岡山城を訪れた後はきっと誰かに話したくなってしまうはず。戦国武将が使っていた刀や銃のレプリカを手に取って重さを確かめたり、馬や駕籠(かご)に乗って記念撮影ができるスポットもありますよ。

岡山城
住所/岡山県岡山市北区丸の内2-3-1
電話/086-225-2096
開館時間/9:00~17:30(最終入場17:00)
休業日/年末(12/29~12/31)
入場料/高校生以上400円、小・中学生100円、未就学児無料
駐車場/専用なし、烏城公園駐車場利用
最寄駅/JR岡山駅、路面電車「城下」
https://okayama-castle.jp

◉2泊目の宿:せとうち児島ホテル

快速マリンライナーに乗って、児島にやってきました。今宵は、瀬戸内海の多島美と圧巻の瀬戸大橋ビューを目に焼き付けながら白亜のリゾートホテル『せとうち児島ホテル』に滞在します。

ホテルのエントランス横には展望デッキがあり、大自然が生み出した島々がぽこぽこと海から顔をのぞかせる姿と、人が10年の歳月をかけて作り出した瀬戸大橋の大パノラマが見られます。

9階のレストランフロアから橋を眺めた瀬戸大橋の設計者のひとりは、橋がもっとも美しく見える黄金率がここにありと言ったとか言わないとか。各フロアのエレベーターホールから、こんな景色が見られるだけで、やっぱり旅っていいなと思わずにはいられません。

展望露天風呂からも穏やかな海と橋が見渡せ、ついつい長風呂になってしまいます。やわらかいお湯に包まれて、昼も夜ものんびり温まってください。

せとうち児島ホテルには1階の和食レストラン『岐備(きび)』と9階のイタリアンレストラン『ポールブラン』があります。いずれも、地元の生産者の思いがこもった新鮮な食材を最大限活かしたお料理が魅力。タコや天然鯛、サワラなど、目の前の海に泳ぐ魚介類を料理長やエグゼクティブシェフがホテル近くの下津井漁協から直接仕入れています。

写真は岐備でいただく会席コース。器やあしらいも含めて、季節を感じられる工夫が散りばめられていますね。

※画像はイメージです。季節や当日の仕入れ状況によりメニューを変更する場合がありますのでご了承ください。

ホテルでは、2019年度から各フロアにデザインコンセプトを設け、客室の全面改装に取り組みました。たとえば、5階はカジュアルなトーンで全体的にネイビーを基調としています。児島が世界に名を轟かす国産ジーンズ発祥の地でもあることから考案され、静かな人気を集めています。

シングル、ダブル、ツイン、広縁付きのツイン、スイート、和室もあって、旅行のたびにぴったりの客室タイプを選ぶことができます。どの部屋を選んでも変わらないのは、窓から見える美しい海と島と橋です。このプレミアムツインルームでは、ソファに身を預けると、目の前の鏡に瀬戸大橋と夕日が映り込むんだそうです。太陽が動き、海の色が刻々と変わっていく。何もせずその移ろいを眺める時間こそ、本当に贅沢な時間かもしれません。

せとうち児島ホテル
住所/岡山県倉敷市下津井吹上303-53
電話/086-473-7711
駐車場/あり
最寄駅/JR児島駅
https://www.setouchi-kojima-hotel.jp

【スポット 3】3日目・唯一無二の風情と絶景に感嘆

◉岡山県倉敷市・倉敷美観地区 → 広島県尾道市 → 広島県廿日市市

◉岡山県|倉敷美観地区

児島駅から倉敷駅まではバスでおよそ1時間。日本初の西洋美術中心の私立美術館『大原美術館』や明治時代の倉敷紡績所工場を保存した複合施設『アイビースクエア』などの見どころが多い地域です。でも、まずは白壁の蔵屋敷や柳並木の趣ある景観を楽しみながら、倉敷美観地区をそぞろ歩いてみたいもの。

倉敷川で運行される川舟も倉敷美観地区の風情を満喫できる名物です。3~11月は毎日運航(第2月曜日を除く)、12~2月は土日祝のみ運航(年末年始を除く)しているので、タイミングが合えば、倉敷館観光案内所で川舟流しのチケットを買って、川面から倉敷の街を眺めてみてください。

倉敷美観地区にはおしゃれなカフェやスイーツ店が続々と登場していますが、老舗喫茶店も見逃せません。『倉敷珈琲館』は江戸時代の建物を改修した店内で、1971年から焙煎とネルドリップにこだわって美味しいコーヒーを提供し続ける人気店です。

おすすめは、ウィンナーコーヒー。これまできっと味わったことがない一杯を、心ゆくまで堪能してください。

倉敷珈琲館
住所/岡山県倉敷市本町4-1
電話/086-424-5516
営業時間/10:00~17:00
駐車場/なし
最寄駅/JR倉敷駅
https://www.kurashiki-coffeekan.com

◉広島県|尾道

瀬戸内横断の旅も3県目。広島県にやってきました。しまなみ海道の発着地でもある尾道は、港町でありながら、山がすぐそばに迫る『坂の町』。坂を登ったその先にある千光寺は、尾道観光で外すことができない絶景ポイントです。

「赤堂」と呼ばれる千光寺本堂から登ってきた方向を振り返ると、坂と寺と民家が密集しているのがわかります。このギュッと詰まった感じが尾道らしい風景なのです。

15分間隔で運行される千光寺ロープウェイの山頂駅すぐのところには、リニューアルした『千光寺公園頂上展望台 PEAK』があります。全長63メートルのデッキから眺める尾道のパノラマは見ごたえ抜群です。

千光寺
住所/広島県尾道市東土堂町15-1
電話/0848-23-2310
拝観時間/9:00~17:00
駐車場/専用なし、千光寺公園駐車場利用
最寄駅/JR尾道駅、千光寺ロープウェイ「山頂駅」
https://www.senkouji.jp

◉3泊目の宿:安芸グランドホテル

尾道から広島へ移動し、広島観光を楽しんだ後は、宮島口駅へ向かい、安芸の宮島の対岸に建つ『安芸グランドホテル』に宿泊します。客室は洋室、和室、和洋室、メゾネットスイート、ロイヤルスイートから選べます。

最大7名で泊まれる和洋室は、家族やグループでの旅行にぴったりです。広々としたお部屋にはリゾート感があり、海を眺めながらくつろぐことができます。

もうひとつのお楽しみは、なんといっても温泉。ホテルには2つの半露天の大浴場のほかに、東屋形式の貸切露天風呂が2棟建っています。

浴槽と眼の前の瀬戸内海がつながっているような一体感を感じながら、こんな景色を独り占めできるなんて、幸せですね。

また、安芸グランドホテルに泊まると、真向かいの世界遺産・嚴島神社に簡単にアクセスすることができます。前日までに予約すれば、毎日ホテルから出航する海上タクシーで宮島第三桟橋まで渡れ、観光の拠点にぴったりです。

宿泊者のみが参加できる約30分の『世界遺産ナイトクルージング』では、ホテル桟橋から出航した船が大鳥居付近に停まり、海上から嚴島神社を参拝します。保存修理工事を終えて3年ぶりに姿を見せた大鳥居がライトアップされ、闇の中に浮かび上がる姿は美しく、感動的な夜が過ごせますよ。

安芸グランドホテル
住所/広島県廿日市市宮島口西1-1-17
電話/0829-56-0111
駐車場/あり
最寄駅/JR宮島口駅
https://www.akigh.co.jp

【スポット 4】4日目・瀬戸内海の西端へ

◉山口県防府市・防府天満宮 →下関市・下関温泉 風の海

◉山口県|防府天満宮

少し寄り道をして、北野天満宮(京都)と太宰府天満宮(福岡)と並び『日本三大天神』のひとつに数えられる防府(ほうふ)天満宮をお参りしましょう。近くには毛利博物館・毛利氏庭園もあり、ゆったりと歴史観光を楽しむことができます。

全国で菅原道真公を祀る神社はおよそ1万2千社ありますが、ここ防府天満宮はそのなかでも最初に創建されたのだそうです。境内には約1,100本の梅の木があり、毎年2月中旬から3月上旬には、天神様のシンボルといわれる梅が咲き誇り、それはそれは華やか。梅まつりも開催されます。

境内に現存する主要な建物のなかで最も古い『春風楼』から防府の街並みを眺めるのもお忘れなく。四季を通じて春風のように美しい絶景と言われています。

防府天満宮
住所/山口県防府市松崎町14-1
電話/0835-23-7700
開門時間/6:00~18:00
駐車場/あり
最寄駅/JR防府駅
https://www.hofutenmangu.com

◉4泊目の宿:下関温泉 風の海

さて、旅の終点、下関までやってきました。今宵、最後のお宿は関門海峡を望むラグジュアリーなホテル『下関温泉 風の海』。関門橋と対岸の北九州、そしてお天気に恵まれれば大分の国東半島まで見渡せるロケーションは、この旅最後の夜にぴったりですね。

ロケーションに加えて、この宿のもうひとつの魅力は全客室に天然温泉展望風呂が付いていること。

お部屋から一歩も出ずに、関門海峡を行き交う船を眺めたり、朝日に照らされながら朝風呂を楽しんだり、とにかくゆったりと時に身を任せたいお宿です。

館内にはライブラリー『白帆』やギャラリーショップ『瑪瑙(めのう)』、完全個室スパ『Relaxation潤(うる)-uru-』、そしてもちろん、下関の「ふく」や旬の食材のおいしさが詰まった会席料理を提供するレストラン『漣(さざなみ)』があり、チェックアウトぎりぎりまで癒やしの時間が過ごせます。

下関温泉 風の海
住所/山口県下関市長府外浦町2-1
電話/083-241-1180
駐車場/あり
最寄駅/JR長府駅、新幹線新下関駅、JR下関駅
https://hotel-kazenoumi.co.jp

【スポット 5】5日目・本州最西端のまちでお寿司

◉山口県|下関観光

下関に来たら外せないスポットが、唐戸市場です。ふぐの市場としても知られていますが、地元漁師さんが獲ったり育てたりした魚を直接販売しており、一般の人も購入することができます。

平日は午前5時から開いていますが、市場関係者の手が少し空く7時頃を狙って行くと、おしゃべりを楽しみながら買い物ができるのだそう。

また、毎週末(金土日)と祝日には、『活きいき馬関街(ばかんがい)』と題して、魚食普及を目的とした飲食イベントが開かれています。市場内の各店舗が自慢のトレピチ鮮魚を寿司や丼にして販売しているので、一貫から購入してその場で食べられるという最高のイベントです。海に面した野外ウッドデッキや屋上の芝生広場でお寿司や海鮮丼を頬張りながら、旅の振り返りなんていかがでしょうか。

唐戸市場
住所/山口県下関市唐戸町5−50
電話/083-231-0001
営業時間/【市場】月~土5:00~15:00、日・祝は8:00~ 【活きいき馬関街】金・土10:00~15:00、日・祝は8:00~
駐車場/専用なし、海響館近くの駐車場利用
最寄駅/JR下関駅
https://www.karatoichiba.com

瀬戸内には海の見える宿が大小、星の数ほどあります。それほどまでに、瀬戸内海の穏やかな風景には、人を引き付ける力があるのです。今回の瀬戸内4県横断プランを瀬戸内海をゆっくり眺めるきっかけにしてみてくださいね。

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

▼記事提供元

[(https://setouchifinder.com/ja/)
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